続きまして、福祉・健康づくりの施策について申し上げます。
今年度創設いたしました「さかき福祉医療費サポート資金貸付制度」につきましては、2月24日現在、貸出件数26件で約120回の受診等に活用していただいております。
制度創設以来、医療機関への受診や、医療費の家計への負担軽減、何よりも対象となる方やご家族の皆さんの安心感につながっていると考えております。
29年度につきましても、引き続き予算計上する中で、対象となる皆さんや医療機関、薬局等にも、改めて周知に努めてまいりたいと考えております。
障がいのある方の生活・就労支援を図るため、新たに南条地区や
千曲市の上山田地区への施設の開設が民間事業者により進められております。
町では、障がいのある方や、そのご家族が、安心して暮らせるまちづくりを進める観点から、それぞれの事業に対して支援を行うための関連予算を計上いたしました。
介護保険制度の改正により、本年4月から「新しい介護予防・日常生活支援総合事業」として、国が定めた基準を緩和したサービスなどの提供開始に向け、サービスを提供する事業者をはじめ、利用者やケアマネージャーなど関係される方のご理解をいただく中で準備を進めております。
今後、高齢化が更に進む中で、介護を必要とする高齢者が出来るだけ増加しないよう、介護予防に重点を置いた、新しいサービスメニューについても検討してまいりたいと考えております。
続いて、産業振興施策について申し上げます。
昨年、東京赤坂にオープンいたしましたテックショップ東京は、木工や金属加工、縫製などができる最先端の設備を備えた会員制工房でありますが、本格的な工作設備を使って、誰もがアイデアを形にできる場として、町内企業やグループが新たな分野での製品開発を進める場合や、個人が起業するための試作などにご利用いただけるよう、町では、町内企業の技術者など常時5人が利用できる、「法人会員契約」を締結いたします。併せて、坂城の子どもたちがテックショップを見学したり、ものづくりに興味を持ってもらうためのイベトなどを開催してまいりたいと考えております。
町内で事業を実施する創業者の方や、中小企業者の方への新たな支援策といたしまして、「クラウドファンディング」による資金調達での初期費用となる組成手数料に相当する経費を助成するため、必要な経費について当初予算に計上したところでございます。
当町の基幹産業であります工業振興を図るうえで、一定規模の工業用地の確保は不可欠であります。しかしながら、現在は坂城インターチェンジそばの「坂城インター工業団地」2区画、約3,000 を残すのみとなっている状況を踏まえ、新たな工業団地の造成に向けて、基本計画及び基本設計の委託費を計上いたしました。
工業団地の造成につきましては、農振除外、地権者の皆さんとの用地交渉など、課題が多くございますが、地権者をはじめ町民の皆さんのご理解とご協力をいただく中で、取り組んでまいりたいと考えております。
「さかきものづくり展2017」を、本年10月、町、公益財団法人さかきテクノセンター、テクノハートさかき協同組合、町商工会が連携し、テクノセンターにおいて開催いたします。前回モノづくり展の開催から3年が経過する中、あらためて町内企業の持つモノづくり技術や製品、坂城町の魅力を町内外へ発信することにより、町工業の発展と地域の活性化を目指します。また、町内の小中学校や高校、連携協定を結んでいる大学等へも働きかけて、次世代を担う人材育成の場としてまいります。
荒廃農地対策としまして、新年度から町単独事業の、「荒廃農地再生利用補助事業」を新設いたします。この事業は、町民などの皆さんが、荒廃農地を耕作可能な農地に再生・復旧するために必要な経費に対し、対象経費の2分の1又は10アール当たり10万円を上限として助成するものであります。町では、これまでも、耕作放棄地を再生する場合には、国の交付金事業を活用する中で支援してまいりましたが、国事業では対応していない農振農用地以外の農地再生も対象にするほか、事業主体も農業者、農業団体、法人など、多様な方々の利用を可能としており、これにより、荒廃農地活用による地域農業の振興を支援してまいります。
また、定年帰農などの新規就農者の導入作物として適している野菜の生産振興を図るため、新規に設置する農業用ビニールハウスの資材購入費に対し、対象経費の3分の1、上限20万円を助成する「農業用ビニールハウス資材購入補助事業」を新設いたします。これにより、一年を通した生産が可能になるなど、安定的な野菜等の生産が可能になり、生産者の裾野の広がりにつながることを期待しております。
有害獣対策として大きな効果を発揮しております侵入防止柵につきましては、国の事業を活用して、28年度には、小網地区において一部設置を行っていただきましたが、29年度も引き続き設置を予定しており、町としましても、地域をあげて被害防止対策を実施する取り組みへの支援をしてまいりたいと考えております。
松くい虫防除対策につきましても、引き続き、健康被害に配慮する中で、空中散布及び無人ヘリコプター散布による予防対策、伐倒駆除や枯損木処理、樹幹注入、松の植樹など総合的な対策を進めてまいるとともに、より効果のある防除対策の実施に向けて、研究を進めてまいります。
続いて、生活基盤の向上のための施策につきまして申し上げます。
鋭意進めております町道A01号線道路改良事業につきましては、現在、若草橋架け替えに伴う河川協議を県と継続中であり、29年度に若草橋の仮設橋梁を設置する予定となっております。
橋梁修繕事業につきましては、今年度、産経大橋の修繕工事と昭和橋の千曲川左岸側のゲルバーガーター橋の道路面の防水工事が完了いたしました。引き続き千曲川左岸側のゲルバーガーター橋の両側の手摺りの嵩上げ工事と、橋梁床版下(川側)の補強・補修工事を実施する予定としております。
県道インター先線事業につきましては、昨年6月に2回目の地元説明会を開催し、詳細測量設計に基づく計画路線について、概ね地権者の皆様にご了承をいただいたところです。現在は、用地測量と建物補償調査等を実施し、29年度には用地買収単価の提示と合わせ、用地交渉を行う予定となっております。
公共下水道事業につきましては、今年度南条金井の国道18号としなの鉄道の間の地域、産業道路東側の一部地域の整備を進めており、今年度末の整備面積は81%の進捗となる見込みです。
29年度は、南条の国道18号と沿線地域の工事を進め、平成32年度を目途に町全体の公共下水道整備完成を目指し進めてまいります。
最後に、生活環境施策について申し上げます。
現在、「長野地域ごみ処理広域化計画」に基づき整備目標を定め、長野広域連合で進めているごみ処理施設でありますが、長野市に建設されるA焼却施設は昨年8月より工事が進められ、計画どおり平成31年3月の供用開始が予定されております。
千曲市に建設されるB焼却施設につきましては、地元区との同意が得られておらず、計画目標から大幅に遅れる見込みとの新聞報道がございましたが、長野広域連合及び千曲市には、計画どおり平成30年度稼動を目指し、最大限の努力をいただくよう要請してまいります。
また、29年度の負担金につきましては、各処理施設の、建設工事費等の増加に加え、今回規約改正をお願いしておりますが、長野市、須坂市、千曲市の3市の地元対策に対し、5町村が負担する地元対策事業が計上されたことにより大幅な増となっております。
また、生ごみ処理機及び堆肥化容器の購入に対する補助限度額を4万円から5万円に引き上げをして、さらなるごみの減量化を図ってまいります。
大きな課題となっている空家対策につきましては、「空家等対策の推進に関する特別措置法」が平成27年5月に完全施行され、本町におきましても昨年9月に特別措置法に基づく空家等対策協議会を設置し、今年度中に空家等対策計画を策定してまいります。
また、空家等の情報提供を区長さんにご依頼し、提供いただいた情報を元に、空家等の現地調査を実施し、空家等対策計画に基づき指導等の対策を進めてまいります。
以上、平成29年度の主要施策について申し上げました。
今議会に審議をお願いする案件は、人事案件1件、報告1件、長野広域連合規約の変更、条例の一部改正4件、町道路線の廃止1件、認定1件、平成29年度の一般会予算及び特別会計予算6件の計16件でございます。よろしくご審議を賜り、ご決定いただきますようお願い申しあげまして、招集のあいさつとさせていただきます。
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坂城町長 山村ひろし