本日(12月3日)平成30年第4回坂城町議会定例会が開会されました。以下、召集の挨拶を掲載させていただきます。
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本日ここに、平成30年 第4回 坂城町議会定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様全員のご出席をいただき開会できますことを心から感謝申し上げます。
まず、南条小学校建設工事における会計検査について述べさせていただきます。
会計検査院が、平成29年度決算検査報告を11月9日に公表し、文部科学省所管の事業では、北海道及び9府県9市町において交付金過大の指摘があり、平成26・27年度に実施した、南条小学校の建設工事もこの対象となりました。
南条小学校については、旧校舎の耐震性に加え設備の老朽化が激しいこと、児童の安全性という面でそぐわなくなってきていたことなど、旧校舎の状況を総合的に勘案し、また、二つの建設に関する委員会のご意見もいただく中で、建設計画をたててまいりました。そして、県教育委員会や文部科学省とも協議のうえ交付決定を受け事業を実施し、平成26年度 95,075千円、27年度1億70,706千円の交付金を受けました。しかし、会計検査院からは、「交付金の交付額の算定について、耐震力不足建物の条件とされるIs値、q値、CTU・SD値の3つの指標の理解が十分でなかったこと」により、旧校舎5棟のうち、交付基準に合うのは1棟のみで、残りの4棟は対象とならないとの指摘を受けました。
具体的には、教育を行うのに著しく不適当な事情のある建物を改築する不適格改築事業の交付条件は、第1として 構造耐震指標と言われ、当該建築物に耐震性があるかないかを表すIs値が0.3に満たないもの、第2として 鉄骨造等の建築物に適用され、建物の保有水平耐力に係る指標と言われ、地震や風などの水平力に対して、当該建築物が耐えることができる強さを表すq値がおおむね0.5に満たないもの、そして第3として 主に鉄筋コンクリート造の建築物に適用され、建築物の形状などを考慮した耐震性能を表す数値であるCTU・SD値がおおむね0.15に満たないもののいずれかを満たすことが、耐震力不足建物の条件でした。耐震診断結果のなかでCTU・SD値がカッコ書きでq値と表示されていたことから、CTU・SD値とq値は同じものとして申請をし交付決定を受けましたが、会計検査院からはCTU・SD値とq値は同一ではないことから、南条小学校旧校舎が耐震力不足建物の条件を、一部を除き満たしていないという指摘を受けました。
会計検査院に、今までの申請経過等を十分説明してまいりましたが、最終的には文部科学省を通し、県に対して「町から提出された南条小学校建設工事の実績報告書等に対する審査が、十分でなかったことなどによると認められる。」との検査結果が公表されました。
国に対しては、「資格面積の算定が適切に行われているかを確認するためのチェックシートや、資格面積の算定方法について、わかりやすく整理したマニュアル等が作成されていない状況となっていた。また、交付申請書の審査時に文部科学省において、資格面積の確認を適切に実施していないことなどによると認められる。」と指摘し、是正改善処置を求める結果となりました。
町では、これまで県や文部科学省、そして会計検査院等との協議を幾度となく重ねてまいりましたが、町民の皆様方には、突然の新聞やテレビなどの報道で、ご心配、ご迷惑をおかけしておりますが、約2億5千3百万円の交付金の返還を求められております。つきましては、やむなく、補正予算にその経費を計上させていただいたところでございます。
これは、まさに苦渋の決断でございます。
南条小学校の建設にあたりましては、当時、南条小学校の施設が大変厳しい状態にあったなかで、建設検討委員会、建設委員会を構成し、外部の有識者、また、議員の皆様にも委員にご就任いただき、とにかく、未来をになう子どもたちのために、素晴らしい学校をつくろうとご決定いただいたわけでございます。
しかしながら、このたびの件につきまして、坂城町民の皆様、ご関係の皆様をお騒がせし、ご心配をお掛けいたしましたことにつきまして、大変申し訳なく思っております。
この場をお借りしまして、坂城町長として深くお詫びを申し上げる次第でございます。
今後につきましても、子どもたちの教育環境の整備のための適切な事業の推進を図ってまいります。
さて、去る11月28日、元坂城町長柳澤賢二さんがご逝去されました。平成3年から2期8年間町政を担い、この間、坂城中学校や坂城テクノセンターの建設、あるいはしなの鉄道テクノ坂城駅の設置や上信越自動車道開通、また、高齢者や障がい者等の福祉基盤整備など、多方面にわたりご尽力いただき、感謝を申し上げますとともに、謹んでお悔やみを申し上げます。
さて、先月には、相次いで住宅の火災があり、残念ながら大切な命や財産も失われました。寒い季節となり、暖房器具を使用する機会が増えていることから、火の取扱いには十分留意するように繰り返し注意喚起をしているところでございます。
続いて、経済情勢でありますが、日本総研などによりますと、アメリカは、7~9月期の実質GDPが前期比年率プラス3.5%と、良好な雇用・所得環境から個人消費の拡大を背景に、高成長が持続しています。
また、ヨーロッパでは、7~9月期のユーロ圏実質GDPが前期比年率プラス0.6%と約4年ぶりに1%を下回る伸びにとどまり、イタリアでの財政問題をめぐる懸念を受けて、景気回復ペースが鈍化しております。
また、中国においては7~9月期の実質GDP成長率が前年同期比プラス6.5%と前の期(4~6月期)から0.2ポイント低下し、政府の財政・金融政策や米中貿易摩擦が景気減速の背景にありますが、貿易摩擦が一段と激化するリスクもあり、引き続き注視していく必要があると考えております。
次に国内の状況でありますが、内閣府による11月の「月例経済報告」では、「景気は、緩やかに回復している」とし、先行きについては、「雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待される。」とする一方で、「通商問題の動向が世界経済に与える影響や、海外経済の不確実性、金融資本市場の変動の影響等に留意する必要がある。」としております。
また、長野県内の状況につきましては、日銀松本支店が11月に発表した「金融経済動向」によりますと、公共投資、住宅投資、設備投資、個人消費の個別観測から「生産は高水準横ばい圏内で推移している。雇用・所得は、着実な改善が続いている」とし、「総論として長野県経済は、緩やかに拡大している。」としております。
当町におきましては、10月に実施しました町内の主な製造業21社の経営状況調査の結果では、生産量は、3ヶ月前の比較でプラスとした企業は11社から8社に減少しましたが、変わらないとした企業が5社から8社に増え、また、売り上げについても同様の推移で、総じてこれまでの景況が持続していることが伺えます。
また、雇用については、7月~9月の実績が、総計でプラス28人と、前回調査からは減少いたしましたが、求人ニーズは継続しており、来春の雇用は、全ての企業が増員又は減員分の補充を予定し、全体では99人の増員予定となっております。
いずれにいたしましても、当町の企業や経済が安定的に伸びていくことを願うところでございます。
続いて、9月定例会以降の事業の状況並びに補正予算に計上いたしました、主な内容について述べさせていただきます。
今年度、テクノさかき工業団地組合の企業の皆様からのご支援により、新たな楽器等を整えさせていただいた南条小学校金管バンドは、10月14日岐阜県で開催された「第22回東海小学校バンドフェスティバル」に出場し、見事オールA評価の金賞をいただきました。
残念ながら、僅差でバンドフェスティバル全国大会出場は叶いませんでしたが、11月3日、東京文京区で開催された「第24回日本管楽合奏コンテスト 全国大会」へ出場し、優秀賞を受賞するなど、積極的な活動を続けており、今後も元気で明るい演奏を期待しているところでございます。
169系電車誕生50周年記念イベント「昭和の乗り物大集合」につきましては、晴天にも恵まれた10月21日に開催し、169系電車をはじめとする鉄道ファンの皆様をはじめ、自動車ファンやお子さん連れのご家族など県内外より1,300人を超える皆さんにご来場いただき、たいへん盛況のうちに終えることが出来ました。
169系電車保存会の皆様をはじめ、懐かしい昭和の自動車やバスをご出展いただいた皆様など多くの皆さんにご協力をいただき深く感謝申し上げます。
また、同時開催のふーど市におきましても、用意した商品が売り切れる出店者も多く、予想以上の成果が得られたと伺い、地域経済にも一定の効果があったものと感じております。
第47回坂城町文化祭は10月27、28日に開催され、数多くの作品が見やすくなるようにレイアウトも変更し、大勢の来場者でにぎわいました。
27日午後には、さかきふれあい大学文化祭記念コンサートとして、坂城町出身の川島亜子さん等によるサックス、チェロ、ピアノの演奏が行われ、来場された280名の皆さんは、美しい音色に耳を傾けていました。
28日には文化祭にあわせ、ふーど市等の開催があり、芸能公演や展示会場に訪れた方々にも大変好評をいただいたところです。
町消防団第8分団に新しい軽四輪駆動積載車を配備しました。この車両は、後部座席に屋根がある乗員4名のデッキバンタイプで町消防団には初めて導入される型式となり、消防団員の安全性の向上と、悪天候時の雨、寒さを軽減することができ、地域の消防力強化につながるものと考えております。
10回目となる「ねずみ大根まつり」が、直売所「あいさい」と坂城インター線横のねずみ大根ほ場の2会場で、11月11日に開催されました。
直売所では、陳列台が溢れるほどのねずみ大根をはじめ、農産物や加工品、町内ワイナリー初の巨峰ワインの販売や、さかきオシボリソンで大学生が手掛けた「ねずこんグッズ」の販売などに、延べ800名ほどのお客様にお越しいただきました。
また、ねずみ大根の収穫会場では、開始前から大勢の方々にお越しいただき、300名ほどの来場者で大変盛況でありました。
「女(ひと)と男(ひと)ふれあいさかき2018」が、11月17日、女性団体連絡会と男女共同みんなの会で構成される実行委員会により開催されました。
「男女共同参画で高める地域防災力」をテーマに、第一部として、坂城消防署の山城篤(やましろあつし)さんから防災アドバイスをいただき、第二部では、東日本大震災と熊本地震を経験された柳原志保(やなぎはらしほ)さんを講師に、「ママ目線!誰でも今すぐできる防災術」と題し、ご講演をいただきました。
防災について、常日頃から意識することの重要性や、女性や母親ならではの防災術など、経験を踏まえて、分かりやすくお話しいただきました。
また、同日、町内在住者や企業などから男女21名ずつ42名が参加された「若者コンin坂城町2018」は、さかきテクノセンターで開催され、サックスカルテットコンサートと、「坂城町」をテーマにしたコミュニケーションゲームなどで交流がなされました。
男女の出会いや交際のきっかけを作ることで、結婚を契機とした町内への移住・定住促進につながることを期待しているところでございます。
商工会主催の「地域経済懇話会」が、11月20日に開催され、国道18号バイパスや坂城インター先線、工業団地の造成などのインフラ整備や 出席されたそれぞれの企業・業界の景況や働き方改革の推進に伴う取組みなど懇談いたしました。
労働時間の規制あるいは外国人実習生の就労への対応や、人材不足を補うため、先端設備の導入による生産性の向上等が喫緊の課題であることなど、貴重なお話をお伺いすることができ、町としましても、企業ニーズにあった支援が行えればと考えております。
「人権を尊重し豊かな福祉の心を育む町民大会」が、12月1日、文化センター大会議室で開催されました。
今回は、南条小学校児童による人権学習活動の作文発表と、失語症や構音障害を負った人たちの劇団「ぐるっと一座」を追ったドキュメンタリー映画「言葉のきずな」を上映いたしました。
ハンディキャップを抱えながら、闘病体験や日々の出来事を乗り越え、社会復帰していく彼らの姿に、ともに認め合い、ともに支え合う人権意識の高揚が図れたのではないかと考えております。
12月11日から来年2月3日まで、特別展「男谷燕斎の書-幕府祐筆の手跡~」を鉄の展示館で開催いたします。
「男谷燕斎」は、文化11年(1814年)に、信濃中之条陣屋に代官として赴任し、8年の長きに渡りこの地を治めましたが、名代官として知られるとともに、書につきましては、幕府で表祐筆を務めるなど能書家としても知られているところです。
12月15日(土)には、男谷燕斎の末裔でおられ、東洋思想研究家の「田口佳史」先生を講師に、「男谷燕斎とその時代」と題した講演会を、予定しており、またとない機会でありますので、大勢の皆さんにお越しいただきたいと思います。
トータルメディアコミュニケーション施設整備事業・デジタル防災行政無線(同報系)の整備につきましては、来年2月末の竣工に向けて、有線放送設備の撤去を進めており、各家庭のスピーカーや引き込み線などのほか、有線柱及び有線ケーブルにつきまして、建物や土地の所有者に立合いをお願いする中で進めています。
また、戸別受信機の配布につきましては、11月末現在で、全戸・全事業所の94.5%を完了しており、設置にお伺いしても連絡が取れないお宅を中心に、鋭意配布を進めている状況でございます。
信州さかきふるさと寄附金につきましては、11月29日現在、2,856件、58,017千円の寄附をいただいております。
今年度につきましては、寄附金の総額を50,000千円と見込み、当初予算を計上いたしましたが、更に15,000千円程度の増額が見込まれますことから、本議会に補正予算をお願いするものであります。
ワイン文化の醸成につきましては、7月に当町初のワイナリー・レストランが開業し、先に開催された「ねずみ大根まつり」において、今年収穫された巨峰による初醸造のワインが発売されました。
坂城産ワインのブランド化や消費拡大に向けたPR支援、更にはワイン用ぶどうの産地化などに取り組み、ワイン文化の醸成を図ってまいります。
次に町内の主要幹線道路の工事の進捗状況でございますが、A01号線道路改良事業 酒玉工区の若草橋の架替え工事につきましては、地域の皆様はじめ大勢の皆様に大変ご迷惑をお掛けしておりますが、現在、谷川左岸側(南側)の橋台設置工事を工程通り進めているところで、今月中旬から対面通行ができる予定であります。長期間の工事となりますが、今後も安全確保を図るなかで、平成31年度中の完成を目途に順次事業を進めてまいります。
なお、右岸側(北側)の橋台及び橋梁本体工事につきましては、11月26日に入札を行い、施工業者が決定し仮契約を交わしましたので、本議会最終日に契約議案を上程し、ご審議をお願いする予定でございます。
国道18号バイパスの進捗状況でございますが、現在、用地買収を本格的に進めており、全体の約49%が完了し、工事用道路の整備に向けた準備を進めているところとお聞きしております。
なお、月見・上五明地区区間においては、11月に用地測量に係る地権者との境界立会いが実施されたところであり、事業の進捗が図られているところでございます。
町といたしましては、先般11月7日に国土交通省及び財務省、関東地方整備局に、塩野入議長、地域交通網対策特別委員会 朝倉副委員長、地元区長と共に新国道上田篠ノ井間建設促進期成同盟会の要望活動を行ったところですが、引き続き、事業促進に向けて国等への要望活動を積極的に行ってまいりたいと考えております。
主要地方道坂城インター線の先線整備の状況でございますが、現在、延伸ルート上に掛かる一部町道及び用水路の付け替え工事を施工しており、年度内には、しなの鉄道にかかる跨線橋の橋台工事に着手する予定となっております。引き続き、地域の皆様はじめ関係する皆様のご協力をお願いいたします。
次に、補正予算についてでございますが、まず、歳入のうち法人町民税についてであります。
当町における法人町民税の税収は、企業活動の影響により増減する状況にあります。今回の補正は、好調な企業活動により売上高、営業利益等が増加したことなどにより、増額となったものでございます。
続いて、歳出について申し上げます。
冬の到来をむかえ、降雪時等の主要な道路の安全確保を図るため、除雪・融雪剤散布に係る経費を計上いたしました。委託業者と連携を図るなかで、降雪時、凍結時における迅速な対応に努めてまいります。
また、国の補正予算が可決されましたが、小中学校普通教室のエアコン整備について、電源設備を含めた改修ができるよう、設計委託に要する経費を計上いたしました。
以上、30年度の主な事業の進捗状況並びに主な12月補正予算の内容について申し上げました。
今議会に審議をお願いする案件は、専決報告が1件、規約の変更が1件、一般会計・特別会計の補正予算3件 計5件でございます。
よろしくご審議を賜り、ご決定いただきますようお願い申しあげまして、招集のあいさつとさせていただきます。
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坂城町長 山村ひろし