先週、9月20日から浅田次郎さん原作の「柘榴坂の仇討」が封切となったので早速、見ました。
先日(6月22日)、浅田次郎さんの講演会を坂城町文化センターで開催し、種々お話を伺っていたこともあり、大変楽しみにしておりました。
(浅田次郎さんの講演会の様子は以下をクリックして下さい。)
http://blog.valley.ne.jp/home/yamamura/?itemid=36512
なぜか、この映画が上田のARIOでは上映されていないので、松代で開催された能楽大会(坂城こども能楽教室の皆さんが参加)を拝見した後、長野市の権堂にある昔懐かしい「ロッキー1」という映画館へ行きました。(9月21日)
映画としてはなかなか優れた作品だと思いました。
原作はわずか40ページの短編(原作を読む時間の方が映画の上映時間より短い!)ですが、映画では原作の内容を忠実に再現し、なおかつ趣旨に沿った盛り上げもしていました。
主人公役の中井貴一、妻役の末広涼子、かたき役の阿部寛、井伊直助役の中村吉衛門ら、すべて素晴らしい演技ぶりだと思いました。
私が一番素晴らしいと感じたのは、原作では、最後の部分で、仇討を止めることにした主人公の志村金吾が
「ふむ。この先はの、俥でも引こうと思う」「新橋のステンショを根城にする俥引きが、古俥を一輌調達してくれるそうだ。・・・」
という場面があるのですが、原作を読みながらこれはあまりにも短絡的だと思っていました。
ところが映画ではこのようなセリフは無く、二人が手を取り合い、雪上りの空をじっと見守る場面になっていました。 小津安二郎の世界のような素晴らしいエンディングになっていました。
久しぶりに良い映画に出会いました。
柘榴坂
坂の手前に「柘榴坂(新坂)」の縦杭
(上記写真はウィキペディア、品川観光案内より)
柘榴坂は品川駅高輪口(西口)の向かい側の坂でかなり急峻です。
さすがに雪のひどいときには登るのが困難。
坂に向かって右手にSHINAGAWA GOOS(旧パシフィックホテル)、左側にウィング高輪WESTなど。
江戸時代には坂に向かって右側に薩摩藩島津家下屋敷、左側に久留米藩有馬家下屋敷など広大な屋敷に挟まれていたそうです。
坂城町長 山村ひろし