以前、江戸後期に8年間、中之条代官をつとめ、後世に名代官と言われ、能書家でもあった、男谷思孝(燕斎)、(1777(安政6)年~1840(天保11)年)について何回か記述しました。
(男谷燕斎について)
http://blog.valley.ne.jp/home/yamamura/?itemid=30345
(男谷燕斎の書について)
http://blog.valley.ne.jp/home/yamamura/?itemid=35217
http://blog.valley.ne.jp/home/yamamura/?itemid=36860
先日、私の友人から以下の3幅を新たに紹介され、個人的に入手しました。
いずれも、真筆と思われますが、如何でしょうか。
「無欲速無見小利」
これは、論語 子路 の文で「速やかならんと欲すること無かれ、小利を見ること無かれ」です。あわてるな、小利を追い求めては大事が成らずということです。 いかにも燕斎の好みそうな文だと思います。
「瓶花力尽無風堕爐火灰深到暁温」
「瓶花力尽き、風無く落ち、爐火の灰深く、暁温に到る」、以前、ご紹介した一幅に似た風景のようです。
「允矣君子展也大成」
これは、詩経(小雅)の一節で「允(まこと)なり君子、展(まこと)なり大成す」です。 意味は、「まことに君子と仰ぐべき天子であり、まことに中興の大業を成して、天下を復興された明天子である。」
以上、男谷燕斎らしい書3幅をご紹介しました。
いずれも坂城町役場公室に並べてあります。
機会がありましたらご覧ください。
坂城町長 山村ひろし