一昨日(11月2日)、作家の北沢秋さんからお手紙を頂戴しました。
先日(10月9日)、私のブログで北沢秋さんの「合戦屋シリーズ」についてコメントしたのを北沢さんがたまたまご覧になり丁重なお手紙をいただいたのです。
一部をご披露いたしますが、まことに恐縮のいたりです。
北沢さんがお気遣いいただいたのは、私が 「いささか残念なのは我が郷土の誇り 「村上義清」 がこの天才軍師、石堂一徹を使いきれない凡庸な人物として扱われています。」 という箇所なのですが、この点について以下のメッセージをいただきました。
『村上義清の評価については、小説を書きながらもこれでは坂城町の方は気を悪くされるだろうなと懸念してはおりました。 しかし物語としては主人公を立てるために誰か敵役を作る必要があるわけで、それには村上義清が最適とするほかはありませんでした。 武将を超一流、一流、二流、三流と分ければ、村上義清は一流に充分入る資質を持った人材だと思います。 ただ彼にとって不幸なことには、相手の武田晴信が超一流の人物だったことでしょう。』 とのメッセージをいただきました。
まことにお気遣いをありがたく感じます。
なお、北沢秋さんはこのシリーズをお書きになるにあたって、坂城町のふるさと資料館、上田の砥石城などにも足をお運びになられたそうです。
ぜひとも機会がありましたら、北沢秋さんを坂城町にお呼びしてサイン会など開催できればと思っております。
以下、念のため、私の以前のブログを再掲します。
坂城町長 山村ひろし
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12/10/09 01:50
翔(か)ける合戦屋
北沢秋(きたざわ しゅう)さんの合戦屋(かっせんや)シリーズの第3作が9月末に出版されました。
この合戦屋シリーズは、「哄(わら)う合戦屋 」、「奔(はし)る合戦屋」、「翔(かけ)る合戦屋」の3部作で、我が村上義清の活躍した16世紀中頃の中信濃を舞台に、一時、村上義清に仕えた天才軍師、石堂一徹(架空の人物)が縦横無尽に大活躍する戦国ドラマです。
どうやらこの「翔(かけ)る合戦屋」でひとまず幕が下ろされるようですが、さらなる続編があればと期待したいところです。
しかしながら、作者の北沢秋さんは後書きで 「ここでこの駄文の筆をおくこととしたい」 と書かれているのでいささか残念な心持ではあります。
この3部作のストーリーを述べるのは控えますが、大変面白い、ある意味では奇想天外でダイナミックな戦国絵巻が語られています。
石堂一徹は欲を持たない当代随一の軍師であり、一方、城攻めのための「攻城車」のような特殊な装置を開発したり、まるで諸葛孔明のような策略家でもあり発明家でもあります。
いささか残念なのは我が郷土の誇り 「村上義清」 がこの天才軍師、石堂一徹を使いきれない凡庸な人物として扱われています。
例えば、武田晴信(信玄)が大敗した「砥石崩れ」はこの石堂一徹の策であり、反面、圧倒的に優位にあった深志城攻めで、武田晴信の北信侵攻を恐れ、突然城の包囲を止めて、坂城(坂木)へ戻ってしまった村上義清を責めています。
この小説は村上義清が武田信玄に滅ぼされる数年前で終わっているために坂城(坂木)から越後へ落ち延びる最期が書かれていないのがせめてもの救いでしょうか。
また、興味深いのは、石堂一徹が架空の人物のため、戦場で大手柄をたて、敵の大将を血祭りにあげてもその人物も架空の大将であることです。これは、架空の人物に歴史を書き換えさせない工夫のようです。
いずれにしても、素晴らしく面白い戦国読み物であり、大変勉強にもなりました。
秋の夜長、皆様にもお勧めします。
坂城町長 山村ひろし
地元の本屋で町長が作者の北沢先生から頂いた手紙のコピーを見かけました。
合戦屋シリーズでの村上義清の描写は、町長と同じ感想だったので、作者の先生の思いが聞けてよかったと思います。
ブログの存在も初めて知ったのですが、いつも坂城町の宣伝に尽力くださり、ありがとうございます。
地元民さん
コメントありがとうございました。
機会があったら北沢秋さんを坂城へお招きしてじっくりお話を伺いたいと思っています。
山村ひろし