坂城町 令和7年 年頭のごあいさつ

 明けましておめでとうございます。

 皆様におかれましては、健やかに新年を迎えられましたこととお慶び申し上げます。

 今年の干支は乙巳(いつし きのと・み)の年です。

 「乙」は草木の芽が曲がりくねった様子、「巳」は動物を表す象形文字にあたり、今まで冬眠をしていた動物が地上活動を始め、従来の因習的生活に終わりを告げることを指します。

 その意味で、「乙巳」は様々な抵抗勢力に対して従来の関係に拘らず、けりを付ける年にしなければならないとの意味が込められていると言われています。

 ここ数年は、「大転換の時代」と言われて来ましたが、未だに物事が解決に至らず、さらに混迷を深めている情勢のなか、各々の立場で決然と新たな取組みを開始しなければならないものと考えております。

 さて、昨年を振り返りますと、元日夕方、能登半島沖を震源とした能登半島地震が、翌2日には、羽田空港滑走路において、民間旅客機と海上保安庁航空機が衝突する大惨事が発生し、波乱の年明けとなりました。

 特に能登半島地震におきましては、地震の規模がマグニチュード「7.6」、観測された最大震度は「7」という大規模なものであり、地震の影響により広範囲で家屋等の倒壊に加え、火災、津波などが重なる大災害となりました。多大な被害を受けられた皆さまに心より哀悼の誠を捧げます。

 こうした状況を踏まえ、町総合防災訓練では、村上地区を対象に大型地震を想定した情報伝達や避難所設営訓練等を実施いたしました。訓練を通じ、常日頃からの備えに対する重要性に加え、有事の際の冷静な判断と慎重な行動に即応する機会になったものと考えています。

 交通インフラでは、国道18号坂城インターチェンジ入口交差点から町道A09号線区間が開通し、交通の円滑化が図られました。将来的には、国道18号バイパスへの接続により、坂城インターチェンジ間のアクセスが飛躍的に向上し、混雑緩和や産業面の活性化のほか、交通ネットワークの複層化にもつながることから、引き続き、国、県に対し、事業区間の早期供用開始と未事業化区間の早期着手を要望してまいります。

 文化センターでは、耐震補強及び大規模改修工事が完了し、施設の安全性はもちろん、長寿命化と利便性の向上により、今まで以上に文化・教養・交流活動の発展が見込まれるほか、太陽光発電と蓄電設備により、中核避難所としての機能強化にも貢献するものと考えています。

 また、一昨年改修を終えた町体育館が、近代建築の記録・保存を目的とする国際的学術組織DOCOMOMO日本支部による「日本におけるモダン・ムーブメントの建築290選」に選定されました。

 年月を経てもオリジナルの建築的価値を残していることや、建築当時に技術的な革新性を有し、現状使用される中でその価値が継承されていることが高く評価され、文化センターのリニューアルと時を同じく評価されたことで貴重な建築物を大切に保存・利用する意義や当時の人々が施設に込めた想いを強く感じる次第であります。

 一方、新複合施設につきましては、今年度、基本設計を実施しており、利用者の方などを中心にワークショップによる意見集約と設計への反映を進め、3月頃には皆さまに設計内容を説明させていただく予定です。

 国際的な場面におきましては、これまでコロナ禍で中断していた高校生タイ国研修や坂城中学生海外派遣事業が実施され、将来を担う子ども達に国際感覚と自国への再認識を経験いただきました。

 また10月には、ポーランドを町の代表団が訪問し、坂城町とツェレスティヌフ郡及び双方の国際交流協会の4者による「フレンドシップ協定に関する合意書」の調印を執り行いました。これまでの交流を踏まえた相互発展と友好関係が様々な分野で更に深まることを願っております。

 2050年ゼロカーボンに向けた取組としましては、町内公共施設など7か所に電気自動車充電のインフラ整備や、さかきテクノセンターにおける建物のエネルギーを75%以上削減する施設改修事業(ニアリー ゼブ)の実施のほか、びんぐし湯さん館の太陽光発電設備による温室効果ガスの排出削減の取り組みを行っております。

 また昨年は、町内3小学校が創立150周年を迎え、記念事業実行委員会を中心に、各種事業が展開され、各校の歴史に新たなページが刻まれたことを大変喜ばしく感じています。

 冒頭申し上げましたとおり、本年は各々が新たな取組みをするために、大きな一歩を踏み出すことが求められておりますことから、皆様と共に鋭意努力してまいります。

 町民の皆様におかれましても、本年が良き年になりますようお祈りし、新年のごあいさつとさせて頂きます。

 坂城町長 山村ひろし

        写真は戸倉の鍋太金物店さんご提供の「巳」

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