2月4日(火)、坂城テクノセンターで「(公財)さかきテクノセンター30周年記念事業 Nearly ZEB 改修報告会」と記念講演「2025新春経済講演会」が行われました。
(公財)さかきテクノセンターは、開館30周年を迎える坂城テクノセンターを記念し、そして、2050ゼロカーボン、カーボンニュートラルの実現に向け、センター建物のゼロエネルギー化を図り、同時に地域企業・地域全体のゼロカーボン化の推進・支援をしていくための「さかきテクノセンターZEB(※)化事業」を今年度実施し、この度完成、お披露目されました。
※ZEBとは、Net Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の略で、快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物のこと
ZEB化事業による施設の主な改修箇所は、次の9点です。
- 天井断熱(グラスウール)、内窓・ビルサッシ(複層Low-E)設置
- 高効率空調設備(ビル用マルチエアコン)設置
- 全熱交換機システム設置
- 未実施箇所のLED化設置
- 給湯設備(太陽温水器、ヒートポンプ式エコキュート)導入
- 太陽光発電設備85.2kW(太陽光パネル208枚)設置
- 蓄電池設備18.9kWh設置
- コージェネシステム(ガス発電・温水吸熱)25kW導入
- 計測・制御 BEMSによる電力量計測および空調機・コージェネ稼働のデマンド制御、二酸化炭素濃度による自動換気(全熱交換)、照明スケジュール制御などの設置
これにより、快適な室内環境を維持しながら、建物の年間消費一次エネルギー収支が、第三者機関の評価で82%削減されていると認証されました。
また、このZEB化事業の完了により、町と(公財)さかきテクノセンターとの「災害時における施設使用等の協力に関する協定」も発効し、災害時には約100名程度が避難できる施設としても活用できるようになりました。
続いて行われた記念講演では、信州大学特別特任教授・東京大学特別教授 堂免一成さんをお迎えして、「水から創るクリーンエネルギー:グリーン水素」と題して講演いただきました。
堂免教授は、昨年(2024年)9月にイギリスの学術情報会社の「クラリベイト引用栄誉賞(Clarivate Citation Laureates)」を受賞した、将来のノーベル賞候補と注目される方です。太陽光を利用して水から水素を製造する光触媒研究の第一人者で、講演でも、教授が大学院博士課程の時に発見した水分解光触媒研究についてやその後の研究の経過、現在飯田市で進めている約5,000平米の広さに「光触媒水分解パネル」を設置し実用化に向けて更に研究を推し進めていることについてなど、とても楽しそうにお話していました。
会場は、ほぼ満員となり、皆さん熱心に堂免教授のお話に聞き入っていました。
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坂城町長 山村ひろし