令和7年 第4回 坂城町議会定例会 招集あいさつ

 本日(12月1日)、令和7年第4回坂城町議会定例会が招集されました。 以下、招集のあいさつを掲載させていただきます。

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 本日ここに、令和7年 第4回 坂城町議会定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様 のご出席をいただき開会できますことに心から感謝を申し上げます。

 さて、依然として物価高騰が家計や事業活動に影響を及ぼしており、原材料・エネルギー価格の上昇や物流コストの増加が、中小企業・小規模事業者の収益を圧迫しております。加えて、主要国の通商政策や 国際経済の先行き の不透明感と相まって、アメリカの いわゆる「トランプ関税」により、貿易・サプライチェーンの不確実性が高まり、為替や調達、価格設定への影響も懸念される状況にあります。

 こうした中、国政におきましては、新たに高市内閣が発足し、地域の活力再生や物価高へのきめ細かな対応、さらには構造的な賃上げや投資促進など、地方の実情を踏まえた取組みが期待されております。

 また、長野県におきましては、阿部知事が全国知事会の会長に就任され、医療・福祉、子育て、産業振興、国土強靭化など 多様な課題について、これまでのご経験と知見を活かし、国政との連携を一層深めていただけるものと期待しているところであります。

 当町といたしましても、国・県の施策と連動しながら、町民生活の安定と地域経済の強化に向け、着実に進めてまいりたいと考えております。

 こうした様々な情勢の変化が、今後、経済にどのような影響を及ぼすかは不透明な状況でありますが、民間の調査研究機関によりますと、各国の関税政策への対応やAI需要の拡大が下支えとなり、「世界経済は 底堅い成長を維持している」とされております。

 その中で、アメリカ経済の先行きは、高関税化の中でも堅調さを維持しており、「関税による景気下押し圧力が低・中所得層を中心に強まるものの、AI関連投資と富裕層消費の拡大が下支えとなり、底堅く推移する」としております。

 また、ヨーロッパ経済は、堅調な内需を背景にプラス成長を維持しつつ、「アメリカの関税政策やフランスの政治不安が下押し要因となるが、産業競争力強化に向けた財政支援が経済活動を下支えする見通し」としております。

 一方、中国経済は、景気刺激策の効果縮小などから成長が減速しているとされており、「過剰生産解消に伴う投資抑制などにより、成長率はさらに鈍化する見通し」としております。

 次に、国内の状況でありますが、内閣府による10月の「月例経済報告」では、「景気は緩やかに回復している」とされる一方、「アメリカの通商政策の影響による景気の下振れリスクや物価上昇による個人消費に及ぼす影響、金融資本市場の変動等に引き続き注意が必要」としております。

 また、日銀松本支店が11月に発表した「長野県の金融経済動向」でも、「長野県経済は、一部に弱めの動きがみられるものの、持ち直している」との観測が示されております。

 当町におきましては、10月に実施いたしました町内の主な製造業20社の7~9月期の経営状況調査の結果では、生産量は、3ヶ月前との比較でプラスとした企業が7社、マイナス6社、変わらないが7社となっており、売上げについてもほぼ同様で、企業間で差はあるものの、持ち直しの動きが続いている状況が伺えるところであります。

 また、来春(令和8年4月)の雇用につきましては、11社が増員予定で、5社が減員分の補充等を予定するなど、全体では104人の増員が見込まれております。国内外の環境変化が続く中、町内企業の皆様には、経済動向に注意を払いつつ、更なる事業の拡大と発展に期待するところであります。

 次に、健康・安全面につきましては、季節の変わり目を迎え、感染症対策の徹底が重要となっております。長野県では、9月にインフルエンザの「流行期入り」が発表され、当町としても予防接種の助成や注意喚起を進めているところであります。

 特に高齢者や基礎疾患のある方、乳幼児・学齢期のお子さんの重症化予防に向けて、学校・保育・福祉・事業所と連携した情報提供と予防行動の定着に努めてまいりたいと考えております。町民の皆様お一人おひとりの健康を守るため、早めのワクチン接種、手洗い・咳エチケット、体調管理の徹底にご協力をお願いいたします。

 さて、町では令和8年度から12年度までの5年間を計画期間とする「坂城町 第6次長期総合計画 後期基本計画」及び 令和8年度から10年度までの事務事業を取りまとめた実施計画の策定を進めております。先月25日には「総合計画審議会」を開催し、中嶋議長、玉川総務産業常任委員長にもご参画いただく中で、後期基本計画の素案についてご審議をいただくとともに、実施計画案についてもご説明させていただきました。

 委員の皆様からいただいた意見等を踏まえつつ調整を進め、住民説明会やホームページ等による意見募集を経て、年度末の策定に向けて取りまとめてまいります。

 また、「第2期 坂城町 まち・ひと・しごと創生総合戦略」につきましては、各分野の代表者で構成される検証委員会において、3回にわたる事業検証を実施し、令和3年度から令和6年度における第2期総合戦略の総括と、令和6年度の事業評価を行い、第3期総合戦略に向けた提言やご意見などを幅広く寄せていただきました。

 第3期総合戦略につきましては、検証委員会の評価を踏まえ、後期基本計画と一体的な策定に向けて作業を進めているところであります。

 こうした中、町の大きな取組の一つであります 新複合施設建設事業につきましては、昨年度の基本設計を踏まえ、職員ヒアリングや利用団体との協議を重ねながら詳細な実施設計を進めております。加えて、建設委員会における協議のほか、8月には建設予定地周辺の皆様を対象とした住民説明会を開催し、工事へのご理解とご協力をお願いしたところであり、寄せられたご要望等については検討を進めているところであります。

 現在は、今月末までの計画で埋蔵文化財の発掘調査を進めているほか、国への補助申請や都市計画法に基づく開発許可申請に向けた準備を進めており、先月26日には、中嶋議長とともに、国土交通省、財務省をメインに、新複合施設建設に向けた支援について要望をしてまいりました。

 町としましては、引き続き、着実な事業進捗を図ってまいりたいと考えております。

 また、町のDXの推進につきましては、国の「新しい地域経済・生活環境創生交付金」を活用して、今年度構築を予定している事業のうち、町で提供する各種サービスやアプリを集約した「自治体統合アプリ」に関しましては、来年3月の運用開始に向けて、現在、構築事業者とデザインを含む全体設計の協議を進めているところであります。

 また、公共施設の利便性向上と利用率の向上を目指した「スマートロックシステム」の導入につきましては、導入を予定する施設について 現地調査に基づく必要な改修作業を行い、順次設置を進めているところであります。システム運用は 来年1月中の開始を予定しており、改めて広報・ホームページ等を通じて町民の皆さんに周知してまいりたいと考えております。

 この他、主な事業の進捗状況等について申し上げます。

 まず、水道事業の広域化につきましては、県企業局と長野市、上田市、千曲市、坂城町の5団体で構成する「上田長野地域水道事業広域化協議会」において、事業統合による広域化を行う場合の、業務運営、組織体制、財政運営などに関する基本的方針や事項をまとめ、今後更なる検討を進める上で指針となる「基本計画」について、協議を重ねてきたところであります。

 基本計画につきましては、本年7月の協議会で、これまでの意見募集や住民説明会などで寄せられた意見等を反映した「計画案」について確認し、所要の修正や各構成団体の調整を経て、11月4日開催の協議会において成案として合意・決定に至ったところであります。

 また、11月13日には、協議会構成員である、長野市長、上田市長、千曲市長、長野県公営企業管理者とともに、国土交通省に対して、広域化事業の交付金の時限措置撤廃又は延長と、交付金事業の対象拡充などについて要望活動を行ってまいりました。

 今後は、具体的な事業内容等を定める事業計画(案)の策定に取り組むとともに、各団体が事業統合の是非を判断するための材料となる「重要協議事項」についても住民や議会の皆様のご意見を伺いながら調整を図り、できるだけ早期に広域化の方向性を決定できるよう協議を進めてまいります。

 次に、国道18号バイパスの整備促進についてでありますが、8月に実施した県建設部及び長野国道事務所への要望活動に続き、10月8日には、中嶋議長とともに、千曲市、長野市、上田市と合同で、「新国道上田篠ノ井間 建設促進期成同盟会」として、県選出国会議員、国土交通省、財務省に対し、上田篠ノ井バイパスの早期完成に向けた建設促進等の要望を行ってまいりました。

 さらに、先月26日には、「坂城町国道バイパス、県道整備促進 期成同盟会」として、副会長である中嶋議長、鈴木町商工会長、理事・監事である町議会 地域交通網対策 特別委員会の 朝倉委員長、宮入副委員長とともに、国土交通省、財務省をメインに、国道18号バイパス坂城町区間の早期完成に向けた整備促進等の要望をしてまいりました。

 地域住民の思いを繋ぐ国道バイパスでありますので、坂城町区間の早期整備について、引き続き、機会を捉えて積極的に要望してまいりたいと考えております。

 次に、64号橋道路改良工事につきましては、役場入口手前のT字交差点付近から、いろかわ医院様前 交差点までの延長約60mの工事を予定しております。国の補助金が追加で交付決定となったことから、年明け早々に発注したいと考えておりますが、工期の関係で年度内竣工が難しいことから、本定例会に上程する補正予算において、令和8年度への繰越事業としてお諮りする中で、来年5月末の完成を目指してまいりたいと考えております。工事期間中は、長期間の交通規制を予定しており、皆様には大変ご不便をおかけいたしますが、ご理解とご協力をお願いいたします。

 次に、鉄の展示館でありますが、9月下旬からの外壁塗装工事がこのほど完了し、開館当時の深く落ち着いた色合いとなりました。現在、「全日本刀匠会設立50周年記念展」を来年2月1日までの会期で開催しております。伝統に裏打ちされた質の高い作品を是非ご鑑賞いただきたいと思います。

 さて、猛烈な暑さが一段落した10月以降、町内では 様々なイベントが実施されました。

 まず、10月3日、4日に、「2025 さかきものづくり展」が坂城テクノセンターにおいて開催されました。

 コロナ禍を経て8年ぶりのリアル開催となった今回は、町内企業をはじめ、連携協定を締結している4つの大学や支援機関などを含む29の企業・団体が出展し、会場にはビジネス関係者をはじめ、町内の小中学生や坂城高校生など、2日間で約1,300人の方に来場いただき、技術・製品の発信とともに、児童生徒の学びにもつながったものと考えております。

 また、さかきものづくり展のタイアップ企画として、坂城町商工会工業部会を中心とする実行委員会により、「さかきオープンファクトリー」が、町内企業18社の参加のもと開催されました。2日間で約300名の皆さんが、普段立ち入ることができない工場内の見学や ワークショップなどを通して、ものづくりの現場を体験されました。

 今回のモノづくり展では、町内企業が持つ高い技術力や強みの発信とともに、子どもたちのモノづくりへの興味を培い、それぞれの 企業の魅力を伝える機会になったものと考えております。

 また、4日には、鼠橋運動公園マレットゴルフ場において「秋のスポーツ大会」を開催し、34チーム、134名が参加しました。真剣なプレーの一方で、笑顔と交流が広がる大会となりました。

 続いて、18日には、ステキさかき観光協会が主体となり「ONSENガストロノミーウォーキングin信州さかき」が開催されました。

 当日は、天候に恵まれ、参加された135名の皆さんは、坂城駅から びんぐし湯さん館までの約9キロのコースを自然や景観、街並みを楽しみながら巡り、途中のガストロノミーポイントでは、おしぼりうどんや おやき、ワインなど、坂城町ならではの味を堪能していただきました。

 今回のイベントの参加者の中には、初めて当町を訪れる方も多く、町の自然・食・観光施設などの魅力発信につながったものと考えております。

 また、同日は、東京 麹町において東京坂城会の総会が開催され、中嶋議長、町商工会の関戸顧問、テクノハート坂城協同組合の佐藤理事長とともに 私も来賓として出席し、町の近況をご報告申し上げました。ふるさとを思い、応援してくださる皆様の存在を心強く感じるとともに、一層のご発展を期待するところであります。

 続いて、25日、26日の2日間にわたり、南条小学校をメイン会場として「第53回文化祭」が開催されました。「したしむ・つくる・ふれあう・ささえる」をテーマに、会場には 書道・盆栽・生け花・絵画・写真など多彩な作品が展示されたほか、芸能公演には20団体が出演され、2日間で展示・芸能公演あわせて735名の皆さんにご来場いただきました。また、お茶席にも104名の皆さんにご参加いただき、豊かな文化の世界に触れていただく機会となりました。

 また、文化祭の開祭式に先立ち、議員各位にもご列席いただく中で挙行いたしました「町表彰式」では、これまで長年にわたり、各分野において地方自治の振興と町の発展にご尽力いただいた皆様を表彰し、「功労表彰」を1名の方に、「功績表彰」を7名の方々に贈呈させていただきました。

 併せて、ものづくりの分野における優秀な技能者、新技術を創出された方々を表彰する「坂城WAZAパワーアップ事業表彰」として、「優秀技能者表彰」を1名の方に、また、「新技術・発明表彰」を1名の方に贈呈させていただいたところであります。

 受章された皆様のこれまでのご尽力に改めて感謝申し上げますとともに、町発展に向けて、今後も一層のご指導とお力添えをお願いするところであります。

 また、26日には、坂城駅前多目的広場 及び 中心市街地コミュニティセンターを会場に、恒例の「鉄道フェスタinさかき」を開催し、約600名の皆様にご来場いただきました。当日はあいにくの雨模様ではありましたが、169系電車保存会やJR貨物をはじめ、多くの団体のご協力をいただく中、記念硬券の配付、ボンネットバスの町内無料周遊、鉄道模型の走行展示、写真撮影会、グッズ・飲食物の販売など盛況でありました。町内外の会員で構成される169系電車保存会や関係団体の皆様は、積極的な情報発信も担う重要な関係人口でもありますことから、今後とも連携を図ってまいりたいと考えております。

 月が替わり、11月6日には、文化センターにおいて「戦没者追悼式」を挙行いたしました。今年は戦後80年の節目にあたり、先の大戦における戦没者に謹んで哀悼の誠をささげるとともに、不戦と恒久平和の誓いを新たにいたしました。

 また、8日には、村上小学校を拠点に「青少年ウォークラリー大会」が開催されました。清々しい青空のもと、37チーム183名の皆さんが参加し、コース内には、チェックポイントとして 村上にちなんだ謎解きや ミニゲームが設けられ、子ども達は、育成会役員の方々や交通安全協会村上支部の皆さんに見守られながら、チームで力を合わせて 全員が完走することができました。

 続いて、9日には、「ねずみ大根まつり」が、さかき地場産直売所「あいさい」 及び 坂城インター線沿いの畑で3年ぶりに開催されました。ねずみ大根をはじめとする農産物の販売に加え、大学と地元企業のコラボ商品の披露や、長野県町村会の協力によるタレント2名が参加され、会場を盛り上げていただきました。また、ねずみ大根の収穫会場にも県外を含む約200名が来場し、収穫体験を楽しんでいただきました。

 また、15日には、坂城テクノセンターにおいて、女性団体連絡会及び男女共同みんなの会で構成する実行委員会が主体となり「女と男ふれあいさかき2025」が開催されました。

 「すべての女と男が輝くまち」をテーマに、元NHK「ためしてガッテン」専任デスクの北折 一さんを講師に迎え、「ガッテン流!健康長寿の裏技!教えます ~介護になって家族に迷惑をかけるのはいやだ!スペシャル~」と題してご講演をいただきました。約100名の方が聴講され、健康長寿や介護予防の実践、歯科検診の重要性、人との交流の意義などについて、ユーモアを交えながら、大変有意義なお話をお聞かせいただきました。

 また、今週末6日には、坂城テクノセンターにおいて「人権を尊重し 豊かな福祉の心を育む 町民集会」を開催いたします。人権週間に合わせた 啓発活動の一環として毎年開催しているもので、今年は坂城小学校児童による人権学習の発表と、高橋美江さんによる「わたしのヤングケアラー ~障がいのある両親の元に生まれて~」と題した講演を予定しております。

 共に支えあう人権感覚を養い、明るく住みやすいまちづくりに向けて、多くの皆様にご来場いただきたいと思っております。

 さて、12月に入り、本格的な冬を迎えます。町では、主要道路の凍結や降雪時に迅速に対応できるよう、町内建設事業者等との委託契約に向けた事前協議を進めております。積雪が概ね10㎝以上の場合には委託業者による除雪を実施し、関係機関と連携して道路の安全確保に努めてまいります。

 続きまして、12月補正予算の主な内容について申し上げます。

 まず、歳入につきましては、障がい者への 法定のサービス給付に係る負担金について、事業の執行状況に応じた 国 及び 県の支出金等を増額するとともに、財政調整基金等からの繰入金について増額いたしております。

 一方、歳出につきましては、令和6年度の精算額確定に伴う後期高齢者医療 給付費負担金や、事業の執行状況を踏まえて 障がい者の法定サービスとなる 介護・訓練等 給付費のほか、複合施設建設に係る一部設計変更に伴う委託料、防火水槽の修繕 及び 撤去費用など、各種事業における所要の経費を計上したところであります。

 以上、令和7年度の主な事業の進捗状況 及び 12月補正予算の主な内容について申し上げました。

 今議会に審議をお願いする案件は、専決報告が1件、広域連合規約の変更が1件、条例の制定及び一部改正が2件、公の施設の指定管理者の指定が1件、一般会計及び特別会計 補正予算が2件の 計7件でございます。

 よろしくご審議を賜り、ご決定いただきますようお願い申し上げまして、招集のあいさつとさせていただきます。

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坂城町長 山村ひろし

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