老子の続き(第47章) ビートルズも歌う老子

この章は老子の中でも重要な章ですが、もっとビックリするのは、あのビートルズがこの章を歌っているのです。 下段のユーチューブのサイトをクリックしてみてください。

不出戸知天下、不窺牖見天道。其出彌遠、其知彌少。是以聖人、不行而知、不見而名、無爲而成。

                          

 戸を出(い)でずして天下を知り、牖(よう)より窺(うかが)はずして天道を見る。 其の出ずること彌々(いよいよ)遠(とほ)ければ、其の知ること彌々少なし。 是(ここ)を以(も)って聖人は、行かずして知り、見ずして名(あきら)かに、無爲にして成る。

                            

 聖人といわれている人は外に出なくても世の中のことが分かり、窓から外を窺わなくても自然の動きが良く分かるのです。 やみくもにどんどん外に出て行っても本質的なことはほとんど理解出来ません。 人は出歩かないでも世の中のことが良く分かり、見なくても物事の本質が良く理解でき無為の状態ですべてのことを成し遂げることが出来るのです。

                       

 真理は内面にあり、ということですね。

 以下は、ビートルズのジョージ・ハリスンが作曲した「The Inner Light」という曲です。ビートルズはしばしばインドに行っていますが、特にジョージ・ハリスンはインド音楽に傾倒しています。 ハリスンはこの詩を中国の「老子」として意識していたかどうか分かりませんが、 とにかくインド風の老子です。

              

                                      

(英語訳)・・ほぼ上述と同じ意味です。

 

Without going out of my door
I can know all things on earth
With out looking out of my window
I could know the ways of heaven

The farther one travels
The less one knows
The less one really knows

Without going out of your door
You can know all things of earth
With out looking out of your window
You could know the ways of heaven

The farther one travels
The less one knows
The less one really knows

Arrive without travelling
See all without looking
Do all without doing

                                          

(ユーチューブ)

http://www.youtube.com/watch?v=7oSuzEqHOcE

あるいは、「春は枝頭(しとう)に在りて已(すで)に十分」。 (戴益 たいえき:中国宋時代) とも同じ意味でしょうか。

この意味は、「春を求めて一日中外を探したが、見つからなかった。 疲れ果てて家に戻って、自宅の庭先の梅の枝を見たら、その枝先に春のあることが分かった。」ということです。   

坂城町長 山村ひろし

                     

「老子の続き(第47章) ビートルズも歌う老子」への1件のフィードバック

  1. ユーチューブ確認いたしました。
    お説のように、ジョージ・ハリスンは老子のこの詩をベースに作詞作曲したようですね。

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