伊達八重子さん作(切り絵) 「酉」
明けましておめでとうございます。
皆様には、健やかに新年を迎えられましたこととお慶び申し上げます。
今年は、丁酉(ひのと・とり ていゆう)の年です。「丁」は、植物が生長し、一定の大きさに達して安定してきた状態を意味します。また「酉」の「ゆう」は、酒がめなどを意味し、かめの中の麹(こうじ)が発酵し極限に達した状態を表していることから、「丁酉」は、エネルギーが充満し、変革、革命の起きる年とも言われています。また、大きな成果の表れる年であるともいえます。
さて、昨年夏の参議院選挙では改正公職選挙法による18歳選挙権が初めて導入された選挙となりました。主権者教育などを通じて、若者の政治への関心が高まることを期待したいと思います。
一方、世界に目を向けますと、アメリカ大統領選挙では、共和党のドナルド・トランプ氏が勝利しました。「アメリカ・ファースト」を掲げる新大統領の誕生は、日米関係に大きな変化をもたらすかもしれません。また、イギリスは国民投票で欧州連合(EU)からの離脱を決定しました。いずれも、移民問題や所得格差への反発を象徴した選挙結果となりました。北方領土問題も大きな節目を迎えそうな中、我が国の通商政策や外交政策など、先見的な舵取りを期待したいと思います。
さて、少子高齢社会への対応とともに、町の地域特性を活かし、快適で住みよい環境を創出するため、「坂城町第5次長期総合計画後期基本計画」、「坂城町人口ビジョン」、「坂城町まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定し、平成28年度からスタートいたしました。いずれの計画も人口減少の克服と将来にわたり活力ある地域社会の維持を目指すものであり、町を取り巻く社会情勢や環境の変化を敏感にとらえながら、住民、企業、行政で連携したまちづくりを進めてまいりたいと思います。
今後進めていく主な施策では、「つながる あんしん坂城町」をキーワードに、防災、子育て、教育、福祉、産業など、多岐にわたる新しいネットワークの構築を目指す「トータルメディア・コミュニケーション・システム」の第一段階として、これまでの有線放送電話に変わり、デジタル防災行政無線(同報系)による新たな通信網により、町民の皆様が必要な情報を取得・共有できるシステムを整備いたします。また、一人暮らし高齢者の見守りとして、緊急通報体制の整備・充実を図ります。
ワイナリー形成事業では、ワイン用ぶどうの実証試験栽培が5年目を迎えます。これまで新規就農の担い手による試験圃場の栽培管理を通して、品種特性の把握を行ってまいりました。そして、町内で待望のワイナリー創業の動きも出てまいりました。引き続きワイン用ぶどうの産地化を推進するとともに、ワイナリー創業者の支援を行い、6次産業化によるワイン振興と地域ブランドの創出を図ります。
スマートコミュニティ構想事業では、町民生活や企業活動において効率的なエネルギー利用を図るため、再生可能エネルギーの導入促進やテクノさかき工業団地において産学官連携によるスマート工業団地化に取り組み、「創・蓄・省エネルギー」による環境整備を進めます。
このほか、町内への移住・定住を促進するため、就業機会の拡大や雇用創出に取り組み、産業の活性化を図るとともに、町内企業や関係機関と連携した合同企業説明会や移住相談会を通じた情報発信に努めます。
また、本町の子育て環境に魅力を感じていただけるよう、総合的な相談・支援体制の充実、第3子以降の保育料等無料化、18歳到達年度までの医療費無料化のほか、子どもたちの海外との交流を通じた国際力向上への取り組みを進めています。
これらの取り組みを通じて、皆様とともに、今年も明るく元気な坂城町を創るべく努力してまいります。
町民の皆様におかれましても、本年が良き年となりますようお祈りし、新年のごあいさつとさせていただきます。
坂城町長 山村ひろし