次に歳出でありますが、投資的経費につきましては、町道A01号線道路改良事業や橋梁修繕事業といった継続事業に加え、トータルメディアコミュニケーション施設整備事業や児童館建設事業により約4億86,000千円増となる、9億39,272千円とし、義務的経費は人件費が11億82,288千円、障がい者への福祉サービス給付費や児童手当、福祉医療費などの扶助費につきましては、6億87,066千円、公債費につきましては、6億93,862千円を計上いたしました。
続いて、平成29年度の主要施策について申し上げます。
最初に、特徴的な施策についてでございますが、信州さかきふるさと寄付金については、全国から寄付を受けやすい体制を整え、寄付者への利便性の向上を図るとともに、特産品振興や地域活性化につながる取り組みを進め、28年12月末時点で、1,500件2,755万円の寄附がございました。
寄附金につきましては、まちづくりの貴重な財源として
〇未来を担う元気な子供たち を応援
〇歴史・文化を次世代に引き継ぐ を応援
〇花と緑・ばらいっぱい を応援
〇ふるさとさかきのまちづくり を応援
の4分野において充当するよう、29年度当初予算に計上をいたしました。
今後につきましても、引き続き、返礼品の充実を図り、商品などを提供していただける事業者の皆さんを更に募集し、町の魅力の発信と、地元特産品のPR等に努めてまいります。
町では、区長会や各自治区の活動を支援し、協働のまちづくりと地域の活性化を推進しているところであります。ここれまで、地域での活動や行事等の際に「傷害保険」などの保険に加入されていない区もあるとお聞きをする中で、町が行なう地域活動への新たな支援の1つといたしまして、全区を対象とした、「自治会活動保険」に町で加入したいと考えております。
内容としましては、各区が主催し行なっているお祭りなどの行事や、清掃などの作業の際に、事故等によりケガをした場合などの傷害補償や、対人・対物への賠償のほか、悪天候により行事が中止になった場合のお弁当のキャンセル料などの費用損害が含まれる保険となっております。
町営温泉施設「びんぐし湯さん館」では、おかげさまをもちましてオープン以来の入館者が昨年9月に400万人を達成し、12月には、営業5,000日を迎えることができました。引き続き、より多くの町民の皆さんに施設をご利用いただけるよう、新年度におきましても、坂城町振興公社と町で負担をする中、町民優待事業を実施してまいりたいと考えており、新年度につきましては、入館割引きだけでなく、館内食堂でお使いいただける、食事割引きをセットにした優待券等の配布について取組んでまいりたいと存じます。
また、施設・設備につきましては、前回リニューアルから5年が経過いたすことから、修繕箇所及び更新箇所を含めた、次回のリニューアル計画について、資金面も含めた検討を行なってまいりたいと考えております。
長野大学に委託し実施しております、旧北国街道沿線景観整備実態調査につきましては、今年度分調査がまとまり、2月15日(水)に成果報告として学生によるプレゼンテーションを実施していただきました。今年度は、四ツ屋から苅屋原までを、学生の目線で調査していただき、成果品として「さかきさんぽ」と題したフリーペーパーの制作とともに、今後の活性化につなげる提案をいただいたところで、29年度も引き続き実態調査を委託する予定でございます。
第3回坂城びんぐしの里薪能が、8月19日にびんぐしの里公園で開催されることとなりました。
3回目となる今回も、町の特命大使 能楽師重要無形文化財総合保持者である松木千俊師、狂言師の野村萬斎師をお招きし、改装なった屋外ステージで日本屈指の演者の仕舞が披露されます。
町の文化・芸術の発展、また伝統文化の継承のためにも、大勢の皆様にご来場いただき、夏の夜の幽玄の世界を堪能していただければと存じます。
鉄の展示館におきましては、特別展として、「大相撲と日本刀展」を開催いたします。歴代横綱の土俵入り太刀や化粧回しのほか、大相撲関係の錦絵・屏風などを展示いたします。日本相撲協会の特別な許可を得て実現した特別企画展で、鉄の展示館を含めて、全国3会場限定での開催となっております。
また、没後40年を迎える、人間国宝・故宮入行平刀匠の生き様に注目し、「人間国宝の息吹 ~ 故宮入行平をみつめて(美の絆編)~」を開催いたします。
大勢の皆さんにお越しいただけるよう、PRに努めてまいります。
文化財関係としまして、江戸時代後期の文政9年に刊行された藤沢雨紅の俳句集「松陰集」の発刊に取り組んでまいります。
県立図書館の蔵書である俳句集「松陰集」は、中之条の塚田睦樹先生をはじめ関係する皆さんのお力添えにより、意訳・編集がされており、当時とすれば、大変貴重ともいえる女性の手による俳句集を広く皆さんに紹介してまいりたいと考えております。
続いて、移住・定住・人口増の施策について申し上げます。
町の人口ビジョンの将来展望としては、「人口減少・人口構造の高齢化を抑制しながら、2040年に人口約1万3千人、2060年においては約1万2千人の維持を目指す」こととし、坂城町まち・ひと・しごと創生総合戦略では、まちの将来像を「地域の活力と暮らしの豊かさを創生する 坂城町」としております。
「町外への流出を抑制して新たな流入を増加する」など4つの基本目標を掲げ、現在子育て支援などの自然増対策や産業支援からの社会増対策に取り組んでおります。
これら総合戦略に基づき、町の人口減少の抑制及び定住人口の増加に向け、29年度新たに移住定住促進補助金を当初予算に計上し、町に移住又は定住する方の、新築住宅の取得費用に対して支援をしてまいります。
空家活用事業につきましては、今年度4月、町のホームページ上に内容を充実した専用ホームページを設け、現在までに東京や大阪など大都市圏を中心に、全国からに約1,800件以上のアクセスがありました。
空き家の登録物件につきましても、2年間で延べ18件となっており、うち6件の契約が成立し、町外から10名、町内から6名の計16名の移住定住につながったところであります。
また、町内に勤めている方々に、坂城町の魅力を発信し、企業の枠を超えた交流や情報交換を行うことで、坂城町に住み、定住していただくため、今年度から開催している若者交流会を引き続き開催してまいります。
さらに、県外の学生に町内企業へ就職していただき、企業の発展と町の活性化につなげるため、今年度から首都圏などで開催している合同町内企業説明会につきましても実施してまいります。
29年度も引き続き、各種施策を展開する中で、移住・定住促進による地域活性化を図ってまいります。
続きまして、子育て支援の施策について申し上げます。
平成26年度から実施しております不妊治療費の助成事業を、29年度からは「治療費の2分の1以内」の要件を廃止し、補助額の上限を50万円に引き上げるとともに、不育症治療についても、1回10万円を限度として、助成をしてまいりたいと考えております。
また、出産直後の「育児に不安がある方」や、「産後の肥立ちが思わしくない方」などが利用する施設として、現在上田市が運営しております、「子育て支援施設 ゆりかご」が、29年度からは「上田地域定住自立圏」の事業となることから、当町の方もご利用いただけるよう、必要な経費を計上させていただきました。
南条児童館の建設事業につきましては、昨年10月11日に建設委員会を立ち上げ、以降3回の委員会を開催し、児童館建設に係るコンセプトについて協議を行ってきたところであります。
この1月24日にプロポーザルによる設計業務の審査会を開催し、設計業者が決定いたしました。今後、建設委員会で設計提案の検討を行い年度内に設計をまとめ、諸手続きを進めるなかで29年度の着工、完成をめざしてまいります。
子どもたちへの外国語教育につきましては、平成27年度より外国語指導講師を3名体制として、小中学校に加え、保育園においても外国語教育の推進を図っております。
次期学校指導要領の改訂に伴い、小学校5・6年生から英語が教科化されることを踏まえ、平成29年度から町単独で英語教育コーディネーターを配置し、小・中学校の英語教員や外国語指導講師、信州大学などと連携を図り、小中一貫した英語教育の充実を図っていきたいと考えております。
グローバル化に対応した子どもたちの外国との教育・文化交流を図るため実施している、中国上海市嘉定区実験小学校との教育交流事業について、29年度は坂城町への受入れを予定しています。
また、30年度以降には中学生の教育・文化交流事業の実施を計画しており、調査のための旅費を29年度予算に計上いたしたところであります。