平成29年第1回坂城町議会定例会招集あいさつ(1)

平成29年第1回坂城町議会定例会招集あいさつ(今議会は2月28日―3月17日まで)

本日ここに、平成29年第1回坂城町議会定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様全員のご出席をいただき開会できますことを心から御礼申し上げます。

さて、去る1月27日(金)坂城中学校3年3組の生徒による模擬議会が開催され、生徒6名から雇用、介護・福祉、子育て支援についての質問があり私をはじめ担当課長から、「人口ビジョン」「まち・ひと・しごと創生総合戦略」に基づく、町の人口減少への取組などについてお答えいたしました。   

3年3組では、今回の模擬議会に先立ち事前アンケートを実施し、「将来坂城町に暮らそうと思っているか。」との問いに「坂城町に暮らそうと思っている。」と答えた生徒が25人中わずか4人(16%)とお聞きしショックを受けたところです。

しかしながら、模擬議会終了後、生徒の感想をお聞きすると、「議会というものを体験して、政治がすこし身近なものになった。」「町では様々な政策を行なっていることがわかり、協力しなければいけないと感じた。」「坂城町に暮らすことは考えていなかったが、暮らしてみようかなと思えた」などの感想を多くいただきました。

そして、再度行なったアンケートでは、模擬議会を通し町の様々な政策を勉強した結果、「役場の方や町長の話を聞いて、坂城に暮らしてもいいかな、と思う人。」が25人中18人(72%)になったとのことでありました。

この結果に安心するとともに、坂城町の将来を担う子どもたちに、町の取り組んでいる事業について知らせていくことの大切さを感じたところであります。 

さて、今月24日に上田市・東御市・青木村・長和町と共同で「イクボス・温かボス宣言」をいたしました。

この、「イクボス・温かボス宣言」は、企業や各種団体、NPO、行政の代表者などが従業員の子育て、介護などといった日々の家庭生活と仕事の両立を応援し、自らも仕事と私生活を楽しむことができる職場環境の整備をすることを宣言するもので、当町におきましても職場環境の改善に努めてまいりたいと考えております。

次に、有線放送電話の状況と今後の対応についてでございますが、昨年12月の町横尾局交換機の故障以来、南条地区及び、文化センター周辺の一部を除く中之条地区のほぼ全域において、通話ができない状況となっております。

この間、原因究明と復旧作業に努めてまいりましたが、施設の老朽化に加え、交換機部品の調達も製造終了等でできず、町内全域における町民相互の通話の媒介を復旧することが不可能なことから、今年の3月31日をもちまして、町全域において通話機能の運用を終了することといたしました。

加入者の皆様には、広報さかき2月号でお知らせを行なったほか、個別にお詫びの文書を申し上げ、故障以降の使用料について順次還付を行なっているところでございます。

また、各地区の公民館や区長さん宅など、地区放送所として登録している電話機からの地区別放送も町内全域でできない状況でありますが、公民館や区の行事などで、地区別放送が必要な場合につきましては、個別にご相談をいただく中で、有線本部で対応してまいります。

なお、放送機能につきましては、これまでどおり運用してまいるとともに、有線放送電話の回線を使用してのインターネットにつきましても利用可能となっております。

さらに、緊急放送につきましては、屋外スピーカー及び宅内のスピーカーによりお知らせしてまいります。

また、現在、有線放送電話回線により「あんしん電話」を使用しているご家庭にきましては、NTT回線への付け替え作業を行っており、29年度においては、全ての「あんしん電話」について、NTT回線を利用してシステムを運用してまいります。

さて、日本を取り巻く世界の経済情勢でありますが、日本総研などによりますと、アメリカの景気は、総じて回復の動きが持続しているものの、トランプ政権の保護主義が世界的な貿易取引の停滞を招けば、輸出にも負の影響が及ぶ恐れがあると懸念されて、ヨーロッパではユーロ圏のGDP成長率が前年比年率プラス2.0%と緩やかな回復が持続している一方、ドイツの製造業は回復の動きに頭打ち感があり、収益環境の悪化が懸念される状況となっております。

また、中国においては、10~12月期の実質成長率が前年同期比プラス6.8%と、前の期から0.1ポイント上昇し、景気の減速が一服した状況ではありますが、過剰債務、過剰設備を抱える企業の債務削減姿勢が長期化し、民間固定資産投資の景気牽引力は一段と低下すると予想され、引き続き注視していく必要があると考えております。

次に国内の状況でありますが、内閣府による1月の「月例経済報告」では、「景気は、一部に改善の遅れもみられるが、緩やかな回復基調が続いている。」とし、先行きについては、「雇用・所得環境の改善が続く中で、各種政策の効果もあり、緩やかな回復に向かうことが期待される。」とする一方、「海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響に留意する必要がある。」としております。

長野県内の状況につきましては、日銀松本支店が2月に発表した「金融経済動向」によりますと、公共投資、住宅投資、設備投資、個人消費の個別観測から「生産は新興国経済減速の動きが和らぐもとで持ち直し、雇用・所得は確実な改善が続いている」とし、「総論として長野県経済は、緩やかに回復している。」としております。

当町におきましては、1月に実施しました町内の主な製造業20社の経営状況調査の結果では、生産量が3ヶ月前のプラス0.13%からプラス1.94%と1.81ポイント増加し、売上げについてもほぼ同様な傾向が見られます

雇用については、10~12月の実績が、総計でプラス1人と、前回調査のマイナス3人から若干改善し、来春の雇用も、すべて企業が増員及び減員分の補充を予定しており、全体で37人の増員予定となっております。

さて、「坂城町 まち・ひと・しごと創生総合戦略」の三つの重点プロジェクトについて申し上げます。

最初に、トータルメディアコミュニケーション「つながる あんしん 坂城町」構想推進事業につきましては、同報系防災行政無線の整備に向け、現在実施設計業務を行っております。

29年度は、親局設備、屋外スピーカー、消防署との連携などの一連の整備工事を実施するとともに、戸別受信機の全戸への無償貸与も順次進めてまいります。

なお、防災行政無線の整備から有線放送電話設備の撤去までには、期間を要することから、2ヶ年の継続費により事業を進めていく計画としておりますが、有線放送電話の設備の状態も考慮いたしまして、1日でも早く防災行政無線の整備を行うため、29年度当初の4月から5月にかけて請負業者を決定し、契約手続きを進めてまいりたいと考えております。

また、町及び県企業局・民間事業所と共同で検討を進めております、高齢者の見守りシステムにつきましては、IOT技術を活用する中で、ひとり暮らし等の高齢者を見守る新たなシステムとして、「水道メーターを活用した見守りシステム」の実証実験を本年9月頃を目途に開始いたします。このシステムは、高齢者宅の水道メーターが水の使用状況を把握し、受信センターを通じて家族等の見守りを行う方に、メールが送られる仕組みで、異変があった場合などは、訪問や電話などで安否確認が行えるようになります。

次に、ワイナリー形成推進事業につきましては、試験圃場におけるワイン用ぶどうの実証試験栽培が4年目を向かえ、昨年秋には赤系・白系合わせて約1,300キロを収穫することができました。

現在、サントリーワインインターナショナル へ醸造をお願いし、ワインの分析・品質評価を行なう中で、3月の販売を視野に商品化を予定しております。

また、継続した取組みといたしましては、町振興公社や千曲川ワインバレー特区連絡協議会も含めた周辺自治体と連携し、イベントなどを通して、ワイン振興に向けたPRを行なってまいります。

なお、町内におきまて、若者を中心に、ワイナリー創業に向けた取組みも進められております。

次に、坂城スマートタウン構想推進事業につきましては、今年度実施しました、産学官連携によるスマート工業団地化に向けた実現可能性調査で、可能性「有」との報告がなされ、29年度は、より具体的な設備等の導入・運用計画となる、マスタープランの策定に取り組む予定としています。

また、住宅用の太陽光発電システムや蓄電池システムなどのスマートエネルギーシステム導入に対する助成も引き続き行い、スマートタウンの実現に向けて、エネルギーの地産地消を目指す取組みや、創エネルギー、蓄エネルギー、省エネルギーへの取組みにより、町全体でエネルギーの最適利用ができる環境づくりを進めてまいります。

なお、検討を進めておりました、役場庁舎への再生可能エネルギー設備等の導入について、このたび国庫補助事業として採択されたことから本議会最終日に関連経費の補正予算についてご審議をお願いしたいと存じます。

それでは、平成29年度の当初予算(案)について申し上げます。

本年1月に誕生したアメリカのトランプ大統領は、「アメリカ・ファースト」を掲げ、矢継ぎ早な大統領令や日々発信するツイートでの発言により世界を翻弄しています。就任早々には、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)から離脱する大統領令に署名をし、その後も、日本企業へのバッシングや為替相場への言及など、日本経済への影響も予測し難く、経済、財政がたいへん不透明な状況になっています。

こうした状況の中ではありますが、当町におきましては、『坂城町第5次長期総合計画後期基本計画』に基づく「自律と協働のまちづくり」を町政運営の基軸に据えるとともに、『坂城町まち・ひと・しごと創生総合戦略』に沿った事業を重点事業とし、限られた財源の中でより具体的な施策の展開を図るべく平成29年度一般会計当初予算の編成をしたところであります。

予算の総額は、『まち・ひと・しごと創生総合戦略』の重点プロジェクトに位置付けておりますトータルメディアコミュニケーション「つながる あんしん 坂城町」構想推進事業の第一歩となります全戸への情報伝達に向けた同報系防災行政無線の整備に係る工事費の計上などで28年度当初予算と比較し590,000千円、率にして9.8%の増となる66億20,000千円といたしました。

まず、歳入といたしまして、町の財政の根幹を担う町税でありますが、堅調に推移をしています個人町民税については28年度に対し20,000千円の増、法人町民税は町内企業の動向を精査する中で70,000千円の減を見込み、町民税で1123,600千円を計上いたしました。また、固定資産税につきましては、地価の下落はあるものの、家屋の新増築分や償却資産の推移を勘案し、現年課税分を14,000千円増となる1234,000千円とし、町税全体では、28年度対比1.4%、約36,000千円の減となる2527,939千円といたしました。

地方交付税につきましては、国の総額が若干減少となりますが税収の減少による交付税の増加も見込めることから、本年度と同額の770,000千円、普通交付税の振り替え分となる臨時財政対策債につきましては、国の29年度地方財政対策において6.8%の増発見込みとなっていることを受け、10,000千円増の210,000千円を計上いたしました。

国庫支出金につきましては、臨時福祉給付金の縮減やびんぐしの里公園の整備終了などにより約69,000千円減の496,990千円、また寄附金につきましてはふるさと納税事業によるふるさと寄附金の大幅な増加を見込み、54,000千円の増額計上をしております。

繰入金については、トータルメディアコミュニケーション施設整備事業に充てるため有線放送電話特別会計からの182,000千円の繰入れに加え、長野広域連合の新たなごみ処理施設建設負担金の財源として広域行政事業基金から72,000千円余りの繰入れや、必要施策への予算を確保するため財政調整基金からの繰入金を28年度対比8%増の323,000千円を計上したことで、総額で約250,000千円増の686,971千円といたしました。

また、町債につきましても大型事業に伴う大きな起債が予定されていることから、臨時財政対策債を含めた総額では、約44,000千円増の727,200千円を計上いたしました。

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