令和6年 甲辰 年頭のごあいさつ

   写真は戸倉の鍋太金物店さんご提供の「辰」

 明けましておめでとうございます。皆様におかれましては、健やかに新年を迎えられましたこととお慶び申し上げます。

 今年の干支は、甲辰(こうしん きのえ・たつ)です。「甲」はよろいで、よろいをつけた草木の芽が、その殻を破って頭を少し出した象形文字であり、言わば、新たな体制を造らんという動きを意味するとともに、革新に向けた厳しい道への覚悟が要求されています。「辰」は、貝の類が足を出して歩いている姿を現しており、思いのもとに慎重に歩みを進めているという意味です。

 従って、甲辰の意味するところは、新芽が古い殻から頭を出そうとしているものの、その芽をなかなか伸ばすことができず、様々な抵抗があるために、慎重に歩みを進めることになります。しっかりと計画を立て、あらゆる困難に対して断固たる決意をもって前進することが必要になります。

 昨年は、新型コロナウイルス感染症の5類感染症への移行により、社会・経済活動が活発となり、当町においても「ばら祭り」をはじめとする各種イベントを開催し、町内外から多くの方にお越しいただくなど明るい兆しが見えた反面、未だに続くロシアによるウクライナ侵攻やイスラエル・ガザ紛争など、世界情勢の混迷による政治・経済の不透明感とともに物価や燃料価格の高騰など、私たちの生活にも影響が及んでいます。

 そうした中、昨年を振り返りますと、4月の統一地方選挙で町民の皆様の温かいご支援をいただき、4期目の町政を担わせていただくこととなりました。町民の誰もが幸せを実感できる「ウェルビーイング」のまちづくりを目指し、さらなる町の発展に取り組んでまいります。特に少子化が進む中、子育て支援策として公約にも掲げました小中学校の給食費無償化につきましては、6月議会で補正予算をお認めいただき、早速実施したところであります。

 さて、4月6日に上平地区で発生した火災は、周辺山林の鎮火が8日午後、火元の産業廃棄物施設の鎮火が14日午前と、長期間にわたる消防活動及び警戒活動が続きました。この間、周辺地域を含む各消防署並びに町消防団をはじめ、町民の皆様のご理解とご協力に心より感謝申し上げます。

 また、昨年は酷暑が続き、台風や線状降水帯による甚大な被害が各地で発生し、8月には当町でも落雷による住宅火災や、大雨に伴う浸水被害が発生しました。被災された皆様にはお見舞いを申し上げますとともに、いつ何時発生するかわからない災害への備えの必要性を再認識したところであり、現在、水門の無停電化工事等の対応を進めております。

 また、文化センターにおきましては、施設の安全性を高め、長寿命化と利便性向上を図るため、耐震補強工事とともに大規模改修工事を行っています。

 中核避難所となる3小学校への太陽光発電設備と蓄電設備の整備につきましては、南条小学校の蓄電設備の設置により全て完了し、非常時における体育館の電力確保への備えが整いました。今後も、家庭や地域、関係機関と連携を図りながら、防災・減災対策に努め、「安全で住み良い、災害に強いまちづくり」を進めてまいります。

 交通インフラでは、国道18号坂城更埴バイパス坂城町区間について網掛地区での道路土工等の事業進捗が図られているほか、工業団地入口までの県道坂城インター先線は年度内の供用開始を目指し、工事が進められており、こうした基盤整備に合わせ、「都市計画マスタープラン」や「立地適正化計画」の策定、「農業振興地域整備計画」の見直しを進め、町の将来を見据えた土地利用のあり方を検討しています。

 老朽化した保健センター及び老人福祉センターを核とする新たな複合施設につきましては、子育て支援や図書館機能を付加した幅広い世代間の交流とつながりを創出する「少子高齢化対策」の拠点として整備を進めてまいります。

 今年度は建設委員会での協議のほか、各分野ごとの利用者の皆様にご意見をお聞きしながら、ウェルビーイングの実現空間として施設のコンセプトや機能を基本計画としてまとめ、新年度はそれを基に基本設計を実施する予定であります。

 令和6年以降、こうした事業の進捗により、町の姿が変わりつつありますが、冒頭で申し上げました「甲辰」が意味するように、各種計画に基づき、覚悟をもって慎重かつ着実に事業を推進してまいります。

 本年が皆様にとって良き年になりますようお祈りし、新年のごあいさつといたします。

 坂城町長 山村ひろし

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