今年の夏に発売された、北沢秋先生の最新小説、「吉祥寺物語 (こもれびの夏)」を読みました。
今まで、北沢秋先生については、何回か私のブログにも紹介しました。
http://blog.valley.ne.jp/home/yamamura/?itemid=29516
また、一昨年の秋には、坂城町で講演もしていただきました。
http://blog.valley.ne.jp/home/yamamura/?itemid=34294
平成25年11月 講演時の北沢先生
北沢先生といえば何と言っても、「嗤う合戦屋」、「奔る合戦屋」、「翔る合戦屋」の合戦屋シリーズで50万部を越えるベストセラー作家として有名です。
私は北沢先生には、主人公の石堂一徹が村上義清を見限って、越後へ移った後の物語を書いてくださいとお願いしていました。
今回、新作発表と聞いて、ひそかに期待をしておりましたが、全く内容の異なる、「青春小説」でありました。
1965年(東京オリンピックの次の年)、「桃園高校」(成蹊学園のことでしょうか。)を舞台にした1年間の物語です。
後書きまで入れると534頁の超大作です。
今までの合戦物からのギャップの大きさにびっくりしたのですが、後書きを見てもっとびっくりしました。
北沢先生は東京大学を卒業後日産自動車に入社されるのですが、高校3年生のころに、すでにこの 「吉祥寺物語」 の第一稿(原稿用紙にして280枚)を書き上げておられたとのことです。
従って、今回の小説は、構想から55年後を経た後の出版ということだそうです。
私もその頃の同世代の高校生でしたので、何となく、こそばゆい様な感覚でこの小説を読みました。
また、後書きの最後に、次回の小説についてこのように書かれています。
「今度の『吉祥寺物語』の出版の次にはまた時代小説に戻って、結城秀康と黒田長政が組んで徳川家康の天下取りを覆そうとする奇想天外の小説の構想を練っている。まずは、乞うご期待というところだ。」 とあります。
楽しみにしたいと思います。
坂城町長 山村ひろし