老子の続き(第9章)

この章はいわば老子の真骨頂ですね。

節度を持つことの大切さ。七分(あるいは腹八分目)で良いではないか。あるいは後に第33章で出てくるように「知足者富」(足るを知るものは富む)の如く、節度を知り強欲を恥じることの大切さを説いています。また、関連して、出処進退の大切さも述べていますね。ところが、最近は、この「出処進退」について見苦しい政治家が多く、見るに堪えませんね。

   持而盈之不如其已。揣而鋭之不可長保。金玉滿堂莫之能守。富貴而驕自遺其咎。功成名遂身退天之道。

   持(じ)して之を盈(み)たすは、その已(や)むに如(し)かず。揣(きた)えてこれを鋭くすれば長く保つべからず。金玉(きんぎょく)堂に満つれば、之を能(よ)く守る莫(な)し。富貴にして驕(おご)れば、自らその咎(とが)を遺(のこ)す。功成り名遂げて身退くは、天の道なり。

 いつまでも器(うつわ)を一杯にしていてはいけません。刃物をぎりぎりに鋭くしてもいつかは折れてしまいます。たくさんの宝玉を蔵に持っていても、いずれは襲われてしまいます。大金持ちになって驕る様になるとかえって問題を残すことになります。功成り名遂げたならば速やかに身を引くのが道理というものです。
 
 以上。
 
 坂城町長 山村ひろし

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