本日(11月30日)、令和3年第4回坂城町議会定例会が開会されました。
以下、招集のあいさつを掲載させていただきます。
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本日ここに、令和3年 第4回 坂城町議会定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様全員のご出席をいただき開会できますことを心から感謝申し上げます。
さて、10月31日に投開票が行われた第49回衆議院議員総選挙の結果、自民党、公明党の与党が衆議院定数の過半数を大きく上回る議席を確保しました。
この結果を受け、10月に発足した岸田政権の継続が決まり、今月10日に第2次岸田内閣がスタートしました。新たな内閣には更なる経済成長に資する政策の充実を強く望むところであります。
新型コロナウイルスにつきましては、2019年12月、中国湖北省武漢で初めて確認されて以来、全世界で長く厳しい闘いが続いています。
日本国内におきましても、感染の波を繰り返しながらなかなか感染の終息には至らず、特に今年のお盆頃をピークとした第5波は、これまでの波とは比較にならない爆発的な感染となりました。
一方で、感染の拡大を食い止めるべく、医療機関等に大変なご協力をいただき、全国で鋭意ワクチン接種が進められたこともあり、新規感染者数は9月以降減少を続け、現在は落ち着いた状況が続いております。11月25日には、県において独自に定める「新型コロナ感染警戒レベル」を引き上げる際の基準となる新規感染者数の要件を一定程度緩和するほか、飲食店等に営業時間短縮を要請する条件もより限定する等の改正が行われており、イベントや移動などの制限の緩和もあり、徐々に日常の社会経済活動が取り戻されようとしています。
しかしながら、ワクチン接種の進んでいるヨーロッパや韓国などでは感染の再拡大が続いているほか、ここにきて新たな変異ウィルスとして「オミクロン株」が確認され、「WHO(世界保健機関)」でも新たな「VOC=懸念される変異株」として注意を呼び掛けています。国内においても水際対策を強化するなど、新型コロナウィルスについては、まだまだ予断を許さない状況にあり、町民の皆様には、様々な制限が緩和される中であっても、基本的な感染対策は徹底していただきますようお願いいたします。
当町における新型コロナワクチンの接種状況といたしましては、 10月末現在で、2回の接種がお済みの方は11,961人、住民登録のある12歳以上の方の88.7%となっております。また、テクノハート坂城協同組合が主体となって実施した「職域接種」につきましては9月7日から10月29日までの約2か月間の接種期間中、34社、1,445人がワクチン接種を行っております。
国からは、自治体における3回目の接種の方向が示されておりますことから、接種の時期や方法等、動向を注視しながら医療機関等との調整を図り、準備を進めてまいります。
続いて、経済情勢でありますが、日本総研などによりますと、アメリカでは、デルタ株の感染拡大と自動車を中心とする供給制限により個人消費が大きく減速したことで、7
~9
月
期の実質GDP
は前期比年率プラス2.0
%
とプラスを維持したものの、成長ペースが鈍化しています。
また、中国においても、活動制限の強化に伴う個人消費の減少や電力不足による製造業生産の停滞などにより、7
~9
月期の実質GDP
は前期比年率プラス0.8
%と前期と比べ大幅に減速しております。
一方、ヨーロッパでは、ユーロ圏において7
~9
月期の実質GDP
が前期比年率プラス9.1
%と4
~6
月期に続いて高めのプラス成長となっており、コロナ禍前の水準付近まで回復している状況となっております。
次に国内の状況でありますが、内閣府による11
月公表の速報値によりますと7
~9
月期の実質GDP
の成長率は前期比年率マイナス3.0
%と2四半期ぶりのマイナス成長となり、新型コロナウィルスの感染拡大による緊急事態宣言などの影響による個人消費の落ち込みや、自動車の減産に伴う輸出の伸び悩みなどが影響している状況であります。
長野県内の状況につきましては、日銀松本支店が11
月に発表した「金融経済動向」では、公共投資、住宅投資、設備投資、個人消費の個別観測から「長野県経済は、一部に弱い動きが見られる中、持ち直しの動きが一服している。」としております。
当町におきましては、10
月に実施いたしました町内の主な製造業20
社の7
~9
月期 経営状況調査の結果では、生産量は3
ヶ月前の比較でプラスとした企業は6
社、マイナス8
社、変わらない5
社、売上げについてもほぼ同様で、日銀松本支店の観測同様持ち直しの動きが一服している状況が伺われます。
また、雇用については、7
~9
月の実績が、総計で6
人の減と、前回調査時からマイナスに転じていますが、来年4月の雇用予定では、14
社が増員、4
社が減員分の補充を予定しており、全体では99
人の増員と、回復に向けた明るい展望も伺える状況となっております。
国内経済においては、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にある中、持ち直しの動きが続いているものの、そのテンポが弱まっており、町内企業への影響なども懸念されるところですが、早期の新型コロナウィルス感染症の収束と経済の更なる回復を願うところでございます。
続いて、9
月定例会以降の事業の状況並びに補正予算に計上いたしました、主な内容について述べさせていただきます。
今年度からスタートした「第6次長期総合計画」に定めた施策を推進するため、令和4年度から令和6年度までの具体的な事務事業をまとめた実施計画について、町内外の様々な分野の方々のご意見をお伺いする「実施計画策定懇話会」を11月22日に開催しました。
懇話会では、各施策の進捗状況と、来年度からの3年間の計画をお示ししましたが、今後、町の財政状況を踏まえ、予算との整合を図る中で、年度末の計画策定に向け進めてまいります。
新工業団地の造成工事につきましては、造成地の南側から順調に工事が進んでおり、附帯施設の用水路、調整池、専用排水路の整備も終わり約7割の進捗率となっております。
また、併せて進めております町道A09号線道路改良工事
につきましては、車道部の舗装路盤と工業団地の雨水排水も流入させる歩道部の側溝が概ね完成しており、約
6割の進捗率となっております。
引き続き、年度内完成に向け、安全に工事が進められるよう努めてまいりたいと考えております。
さて、新型コロナウイルス感染症の感染リスクを低減しながら、情報発信の拡大を図るべく、インターネットやケーブルテレビを活用した事業の実施に取り組んでおります。
10月1日、2日に開催した「2021さかきモノづくり展」では、ZoomやYouTubeによるインターネット配信のほか、ケーブルテレビにより、町内企業の技術力の高さや環境問題あるいは、SDG
sの達成に向けた取り組みなどの情報発信することができました。
また、坂城中学校や坂城高校の生徒による「ぼくとわたしのモノづくり」と題したプレゼンテーション及び、上田女子短期大学と坂城中学校とのSDG
sコラボレーション事業は、これからの町を担う若い世代の活躍が楽しみになる内容でありました。
モノづくり展の様子は、アーカイブ配信を行っておりますので、町内企業や子ども達の活動を知るツールとしてご覧いただきたいと思います。
10月10日、デジタル庁が優れたデジタル化の取り組みを表彰する「デジタル社会推進賞」の最優秀賞「プラチナ賞」を坂城高校が受賞しました。
坂城高校では一人一台端末やAI
(人工知能)活用型学習アプリなどデジタル学習教材を用いて「個別最適な学び」「地域連携型探究活動」に取り組んでおり、そうした取組みが生徒の学力向上に加え、探究力や主体性の向上等につながったことが評価されたものであります。
地元高校の受賞を大いに誇りに感じると共に、小中学校におけるGIGA
スクール構想推進事業の更なる充実などを通して、第6次長期総合計画の将来像実現に向けた共通のテーマである「デジタル化の推進」と「SDGsの達成」につなげてまいりたいと考えております。
10月末には、教材用ワインを参加者の自宅にお届けし、オンラインでセミナーを受講できる「さかきオンラインワインセミナー」につきまして、白ワインをテーマとして開催し、町内及び県内外から大勢のご参加をいただきました。次回は、テーマを「ワインの基本 赤ワイン編」として、2月の開催を予定しておりますので、ご参加いただきたいと思います。
新型コロナの影響で昨年は中止といたしました町文化祭につきまして、10月23日、24日の2日間にわたり、武道館と文化センターを会場に開催いたしました。
2年ぶりの開催となった文化祭は、両会場とも感染拡大防止対策を徹底する中、展示については、書道や写真など、19
団体の作品が展示され、また芸能公演には、14
団体の皆さんが出演し、コーラスやハーモニカ、ダンスなど日頃の練習の成果を発表いただきました。なお、一般の方の入場を制限して開催した芸能公演の様子はケーブルビジョンで後日放映し、
当日ご来場いただけなかった皆さんにもご覧いただけるよう対応したところでございます。
また、コロナの感染が落ち着きを見せる中、各種のイベントも感染症対策を徹底しながら徐々に再開をいたしております。
去る11
月3日には、南条の和合城跡で、6日には坂城の葛尾城跡で、全国山城サミット上田・坂城プラス東御アフター大会が開催されました。それぞれ麓で山城に造詣の深い、長野市立豊野中学校の遠藤公洋先生にご講演をいただいた後、城跡に登り、詳しくご説明をいただきました。
両日とも晴天に恵まれ、参加した皆様には、山城からの展望と、歴史ロマンを満喫していただきました。
今回で13
回目となる「ねずみ大根収穫&直売市」が11
月13
日、坂城インター線沿いのねずみ大根の畑とさかき地場産直売所「あいさい」で開催されました。
当日は天候にも恵まれ、ねずみ大根収穫会場では来場者に見守られるなか、ねずこんとアルクマ出演による開会式と「ねずこん生誕10
周年記念セレモニー」を行い、大勢の方に祝福いただいたほか、ねずみ大根の収穫も、大変盛況でありました。
また、直売所ではねずみ大根をはじめとする農産物・加工品の販売や今年産の巨峰ワイン限定販売などのほか、「ねずこん10
周年記念バッジプレゼントコーナー」では、ねずこんやアルクマとの記念撮影に行列ができるなど、大勢のお客様で賑わいました。
また、町のマスコットキャラクター「ねずこん」が生誕10
周年を迎えたことを記念し、「ねずこんカードラリー」や「ねずこんデジタルスタンプラリー」といった楽しみながら地域経済に効果が期待できる取り組みも実施しておりますので是非チャレンジしていただければと思います。
11月27日には、中心市街地コミュニティセンターを会場に、「第2回朗読駅伝」を開催いたしました。
7年ぶりの開催となる今回は、「刀~YAIBA
~」をテーマとして、テーマにちなんだ小説や絵本などが、黄色いたすきと共に元NHKアナウンサーの青木裕子さんをはじめ、10人の読み手により朗読され、会場は心地よい雰囲気に包まれていました。
オープニングは、坂城コーラスの皆さんによる「坂城町の歌」ではじまり、1部と2部に分かれた朗読の間には、学芸員による「坂城町と鉄と刀」についての解説もあり、今回テーマとして設定された「刀~YAIBA
~」と当町との関連も説明されました。
私も朗読者の一人として参加いたしましたが、大変楽しい時間となりました。
今週 12月4日土曜日に、「人権を尊重し豊かな福祉の心を育む町民集会」を文化センターにて開催いたします。
毎年人権週間(12
月4日から10
日)にあわせて、啓発活動の一環として町民集会を開催しており、今年は村上小学校児童による人権学習活動の作文発表と、ダイバーシティ信州
会長の
小泉涼さんを講師にお迎えし、「性の多様性について」をテーマにご講演いただきます。
感染拡大防止対策のため、定員は70
名とさせていただいておりますが、大勢の皆様にご参加いただきますよう、お願いいたします。
さて、昭和54年4月に稼働を開始して以来、42年間にわたり坂城町と千曲市のごみ焼却を担ってまいりました葛尾組合の焼却施設につきまして、長野広域連合が千曲市に建設中の新たな焼却施設へごみ処理業務が移管されることに伴い、10月25日に焼却施設の閉炉式を執り行いました。これまで長きにわたり、地元住民の皆様はじめ、多くの関係各位のご理解とご協力により新施設へ引き継ぐことができ、深く感謝申し上げる次第でございます。
明日、12月1日から試運転を開始する長野広域連合の新たな焼却施設につきましては、このほど、名称が「ちくま環境エネルギーセンター」に決定し、明日から可燃ごみの受入れを開始いたします。これに伴い、町から排出される可燃ごみの全量を「ちくま環境エネルギーセンター」で処理することとなります。町といたしましては、引き続き、長野広域連合はじめ関係機関と連携を図るなかで、業務が円滑に移行できるよう進めてまいります。
上水道事業につきましては、全国的に施設の老朽化や人口減等による給水量の減少などが今後の大きな課題となっております。
当町は、主に県営水道からの給水となっておりますが、将来にわたって安全で安心な水道水を、安定して供給できる持続可能な体制を構築するため、県企業局及び上田市、千曲市、長野市、当町の事務担当者により「上田長野地域水道事業広域化研究会」が設立され、地域にふさわしい水道事業の在り方について検討が進められてまいりましたが、今般、同研究会より、検討経過の報告がなされました。
経過報告では、水道事業の基盤強化のため、広域化を視野に、事業統合も含めてさらに研究を進めるといった方向性が示されたところであります。
今後、県や関係市町で更に検討を進め、財政的なシミュレーションなどを通して、広域化の形態を比較検討し、地域における適切な事業の在り方を研究してまいりたいと考えております。
しなの鉄道株式会社の、取締役会が11月26日に開催され、新型コロナ感染症の拡大により運輸収入が激減し、沿線人口の減少と相まって、現状のままでは事業の存続自体が危ぶまれる大変厳しい状況にあるとの経営状況の報告がされました。
これまでも、沿線市町で組織する、しなの鉄道活性化協議会が中心となり、車両更新計画や設備投資計画の見直し、社員数の削減等を行なってきたところですが、今後更に取り組む経営改善策として、ダイヤ編成・駅業務体制の見直し、組織のスリム化と人件費の抑制、設備維持費の低コスト化の方針が示されたところです。
特に、乗降客数を基準として、坂城駅については土休日の無人化及び平日の窓口営業時間の短縮、テクノさかき駅については無人化といった方向が示されております。
このようなことから、町といたしましては、しなの鉄道株式会社の経営改善策に対して、鉄道利用者の利便性や安全性の確保に努めるとともに、ダイヤの見直しについては、柔軟に対応すること、駅の無人化等については、直通テレビ電話の設置や、防犯カメラの増設、管理駅にモニターの設置、警備会社への契約等の駅利用者の安全確保を図ること、またテクノさかき駅の身体障がい者向けの昇降機の利用については、管理駅で迅速に対応することなどの申し入れをおこなったところであります。
当町にとりましても、しなの鉄道は地域の大切な公共交通機関でありますので、今後もしなの鉄道の経営が安定するよう、沿線市町と連携しながら協力、支援を行ってまいりたいと考えております。
また、
千曲川の治水整備に関しまして、11月9日に飯山市で開催されました「北陸直轄河川治水期成同盟会連合会」が主催する「長野県治水事業整備促進意見交換会」におきまして、国土交通省北陸地方整備局に対し、千曲川の完全堤防化に向けた築堤工事の実施等を要望してまいりました。
引き続き、千曲川の強靭化が図られ、私たちが安心・安全に生活できるよう、要望してまいりたいと考えております。
続きまして、補正予算についてでございます。
信州さかきふるさと寄附金につきましては、10
月末現在、11,278
件、1億82,180千円のご寄付をいただき、金額ベースで前年同月比プラス30.3
%と、果樹類を中心に、昨年度を大きく上回る寄附申し込みをいただいており、年末に向けて更なる増加が見込まれる状況となっております。
そうした状況を踏まえ、年度末までの寄附額について2
億20,000
千円ほどと見込み、今議会に関連の補正予算をお願いするものであります。
また、新型コロナワクチン接種につきましては、希望する対象者への2回の接種がほぼ終了いたしましたが、徐々に低下する抗体を維持するための3回目の追加接種が間もなく始まることとなり、本議会に補正予算しております。
当面は、先行して接種した医療従事者等について、主に各医療機関での接種を進め、一般の方については、2月以降、2回目の接種から8か月以上経過した高齢者の方から順に進めたいと考えております。
現在、具体的な日程や接種方法について検討を進め、スムーズな接種に向け準備を整えてまいります。
また、テクノハート坂城協同組合が主体となり実施しました「職域接種」につきましても、接種医療機関との調整などを含め、実施に向けた準備を進めてまいります。
新型コロナに対する国の地方創生臨時交付金を活用して、コロナ禍における感染防止対策への対応や、外出、往来の自粛の影響により、大幅に悪化した町温泉施設に対して運営の支援を行う「温泉施設持続化負担金」について予算を計上いたしました。
地方創生臨時交付金につきましては、本補正予算に計上し、先行して実施している「坂城のお店応援券事業」や「消費回復応援事業(スタンプラリー)」「飲食店等に対する感染症蔓延防止対策補助」など新型コロナ関連の事業の財源として充当してまいります。
冬の到来を迎え、降雪時の主要な道路の安全確保を図るための除雪、融雪剤散布に係る費用を、補正予算に計上いたしました。委託業者と連携を図り、迅速な除雪作業等の実施に努めてまいります。
最後に、町はこれまでも長野県人事委員会勧告に基づく県の給与改定に準拠して、職員の給与等の改定を行ってきております。令和3年度につきまして、この度、県で改定が実施されますことから、その内容に準じて、期末手当等の総年間支給月数について、特別職については0.05
月分、一般職については0.1
月分引き下げる改定について関係条例の改正と共に、関連する補正予算につきまして上程し、ご審議をお願いしたいと思っております。
以上、令和3
年度の主な事業の進捗状況並びに主な12
月補正予算の内容について申し上げました。
今議会に審議をお願いする案件は、条例の一部改正が3
件、定住自立圏形成に関する協定の変更が1
件、町道の認定が1件、町道の変更が1件、一般会計・特別会計の補正予算4
件 計10
件でございます。
よろしくご審議を賜り、ご決定いただきますようお願い申しあげまして、招集のあいさつとさせていただきます。
・・・・・・・・・・・・
坂城町長 山村ひろし