新成人の皆さんに冊子とYouTubeでお祝いしました。

坂城町では、例年、8月15日の終戦の日に成人式を執り行ってきました。

しかしながら、新型コロナウイルス感染が全国的に拡大していることから、昨年に続き今年も一堂に会しての式典を行うことができませんでした。

そこで昨年度に成人された皆さん(第65回)と今年度(第66回)に新成人となる皆さん、そして関係の皆さんからお寄せいただいたメッセージを各年度ごとに冊子にまとめ、記念品とともに成人を迎えられた皆さんにお送りしました。

また、恩師の先生方のもとに撮影にうかがい、メッセージをいただいて動画にまとめ、YouTubeに限定公開しました。(一般公開ではありません。限定メンバー向けです)

 冊子およびメッセージ動画の制作にご協力いただいた皆さんに感謝申し上げます。

 以下は、今年度、第66回成人式向けの私のメッセージです。

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第66回坂城町成人式 祝辞

皆様こんにちは。坂城町長の山村です。

現在、世界はコロナウィルス感染症による危機的な状況の中にあります。国内では、第5波とも言われる感染拡大により、多くの都道府県において緊急事態宣言やまんえん防止等特別措置が発出されています。長野県におきましても、感染力が従来株の2倍といわれるデルタ株への置き換わりが進み、感染者が増加しています。

このような状況の中で、みなさんが一堂に会することは、安全安心を担保することができないと判断いたしました。延期することも考えましたが、新型コロナウィルス感染症の終息が見えない中では、計画を立てることが難しいことから、YouTube配信で行うことにしました。本来であれば、みなさんにお会いして、直接お祝いを申し上げるところですが、YouTube配信でお祝いのメッセージをお届けします。ご理解をお願いいたします。

第66回坂城町成人式、新成人の皆様、成人おめでとうございます。

また、今日まで暖かい愛情を持ってお子さんを立派に育て上げられたご家族、保護者の皆様に心より、お祝いとお喜びを申し上げます。

成人することは、人生の大きな節目であります。節目の成人を迎えられたこの機会に、自分の生き方や命の大切さについて、改めて考えていただきたいと思います。

 それにかかわり、毎年、成人式において、3つのことをお話しています。

一つ目は、「意味ある出会い」についてです。

私の大切にしている言葉に「意味のある偶然」という言葉があります。これは私が使い始めて、いろいろな機会にお話しています。人は毎日、毎日いろいろな人と「偶然的出会い」を続けています。

 皆さんの多くは、この坂城町で生まれ、育ちました。そして、保育園、幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、あるいはいろいろな職場で毎日、いろいろな人と「偶然的な出会い」を続けています。

 しかしながら、この「偶然」を単なる「偶然」として送りすごすか、自発的な能動的なアクションをとることにより「意味のある偶然」にするかどうかはその人の人生にとって大きく意味合いが違ってきます。毎日毎日、刻一刻と「偶然的な出会い」が皆さんの前に訪れます。これからの人生にとって、この「偶然的な出会い」を「意味のある出会い」にするよう心がけていただければと思います。

二つ目は、「命とは何か」についてです。

100歳を越えても現役の医者として活躍された日野原重明さんは、たくさんの本をお書きになったり、ミュージカルの脚本をお書きになったりしていました。

日野原さんは、「命とは何か」について、いろいろな講演会、著書で述べられていました。

日野原先生は、常に「皆さん、皆さんの命は見えますか。」という問いかけをされます。

命は見えません。「命」とは皆さんの持っている「時間」のことだというのですね。死んでしまったら自分で使える時間もなくなってしまわけです。したがって、「一度しかない自分の時間、命をどのように使うかしっかり考えながら生きていってほしい。」さらに言えば、「その命を今度は自分以外の何かのために使うことを学んでほしい。」ということです。

さきほど、私が申し上げた「意味のある偶然」も含めて、それを意味のある「時間」として使っていただきたいと思います。

三つ目は、「命の大切さ」についてです。

みなさんは、ご両親から頂いた「命」の大切さについてどう考えておられるでしょうか。昨今、毎日のように悲惨なニュース、それも今までは考えられなかったような事件が発生しています。

私は「命」は大自然からお借りした大切な「宝物」だと思っています。

みなさんの命は、みなさんのご両親が突然作り出したものではありません。みなさんのご両親、ご両親のご両親、どんどん遡れば地球誕生から約46億年、宇宙の起源から考えれば約130億年前から、営々とみなさんのDNAが脈々と続いてきているわけであります。

大自然からお借りした「命」を立派に、立派に磨き上げ再び大自然にお返ししなくてはならないのです。

仮に、みなさんが友人からゲーム機を借りたとします、これを傷つけたり、べたべたに汚して返したりしたら、みなさんの友人は何と思うでしょう。借りた時以上に見事に磨き上げピカピカにして返したら、みなさんの友人は何と喜ぶことでしょう。

みなさんの「命」もこのようにピカピカにして命を全うし、大自然にお返ししなくてはならないと思います。

コロナ禍の中、厳しい状況が続いています。多くの命が失われています。このような状況の中、自分の生き方や命の大切さについて、もう一度考えていただきたいと思います。

人類の歴史を振り返った時、何回もの危機が訪れています。しかし、その危機を、人類は知恵を絞り、英知を結集して乗り越えてきました。このコロナ禍も、必ず乗り越えていきます。みなさん一人一人には、その知恵が、力があります。みなさんがたくましく未来を切り開いていくことを祈念して、お祝いの挨拶とさせていただきます。

成人、おめでとうございます。

令和3年8月  坂城町長 山村弘

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以下、山村と今回のプロジェクトを取りまとめいただいた、塚田公民館長と石原千幸先生

坂城町長 山村ひろし

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